繰り返しがちな子どもの鼻血 出血の原因と正しい対処法は?【子育てラボ】
[VOL.510]知る・学ぶ
鼻血は、寝起きや鼻をかむ時など突発的に出ることが多く、特に子どもは一度鼻血が出ると繰り返しがちで、心配になりますよね。今回は出血の原因や血を止める正しい対処法について専門医に教えてもらいました。
鼻血の原因
鼻血の主な原因は、小鼻の内側の粘膜が傷ついて出血すること。子どもの場合、その粘膜の部位(キーゼルバッハ部位)に血管が集中しているため傷つきやすく、わずかな刺激でも出血が起こります。特に、花粉が飛散する時季や乾燥する冬に鼻血が増える傾向にあります。
鼻血が出た時の対処法
(1)椅子などに座る
(2)小鼻の両側を親指と人差し指でつまみ下を向く
(3)5〜10分安静にする
※その他、応急処置として鼻にティッシュを詰めることもありますが、ティッシュを鼻から抜く際に、傷口をこすって再度出血してしまうので、脱脂綿のような柔らかいものを詰める方がお勧めです。
受診の目安
10分以上出血が止まらない、大量の出血を繰り返す、鼻の奥からの出血がある場合は専門医を受診してください。
間違った鼻血の止め方
[NG]上を向き、首の後ろをたたく
首を反らして上を向くと、血が喉に流れ込み、固まった血で呼吸困難や吐き気・嘔吐(おうと)の原因になることもあります。
[NG]鼻の上部を押さえる
出血している箇所は鼻の入り口なので、上部を押さえても意味がありません。小鼻の両側を押さえましょう。
鼻血にまつわるQ&A
[Q1]鼻血を繰り返すのはなぜ?
[A]
一度出血した部分は敏感になっているため、無意識に鼻を触ったり、すすったりするなど小さな刺激でも出血を起こしやすくなります。
[Q2]寝ている時に鼻血が出やすい のはどうして?
[A]
就寝中(朝方)やリラックスしている時は、自律神経の副交感神経が優位になり血管が広がりやすくなります。この時に空気中に舞っている花粉やハウスダストなどのアレルゲンが刺激となり、就寝中に鼻を触ることで出血することがあります。
[Q3]鼻血を出さないための対策は?
[A]
鼻をかむ、すする、触るといった鼻に刺激を与えない環境をつくることが大切です。アレルギー性鼻炎や花粉症、副鼻腔(びくう)炎、急性鼻炎(風邪症状)が鼻血のきっかけになるので、まずはそれらを治療することをお勧めします。
教えてくれたのは
なかの耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック
理事長 中野幸治さん
鼻血が出たら慌てず、落ち着いて対処しましょう