【385号】カルチャールーム 第53回 – 円盤で時間旅行 嶋田宣明
やっぱり自慢したい 熊本民謡収録の一枚
いつの世にも、“はやり廃り”というのはあるものですが、昨今のJK(女子高校生)の間ではやっているのが、中古レコード店に行き、さも店内でレコードを探しているふうな写真を撮ることだとか。SNSで「インスタ映え」の写真を発信し、自分をアピールするお遊びらしいです。われわれ“レコ好きおじさん”たちにとっては、考えもつかないレコ屋の使い方で、時代も変わったものです。
私の学生時代はもちろん、SNSとは無縁の時代。当然スマホなどもないので、友達への自慢は、買ったレコードの現物披露でした。その自己アピールの習慣は、今も仲間のDJなどとの間で繰り返していることを考えると、「たいして成長してないんだなぁ~」とわが身を恥じることしきりです。
と言いつつも、やっぱり自慢したいのがこの1枚(結局、自慢癖は直らず)。クラウディアというブラジル出身の歌手が1969年ごろにリリースした「恋のカローラ」というアルバム。ブラジル演奏旅行中のジャズミュージシャン・渡辺貞夫が、彼女を現地で気に入って日本に連れて来たらしいのですが、そのアルバムの中で「五木の子守唄」をカバーして歌っています。地球の裏側の歌手が歌う熊本民謡、そう聞いただけでどんな歌か気になるでしょう? 知り合いのレコード屋で近々、「レコード自慢大会」をやるとのことなので、そこで思いっきり自慢する所存です(やっぱり、自慢癖は直らず)。
※今回紹介したレコードは9月19日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送される予定です。
しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。