2つの事件で揺れる男たちの絆 高良健吾さんが撮影を振り返る【カルチャールーム】
映画『罪と悪』 2月2日(金)全国公開
ミステリーと人間ドラマが見事に融合した映画『罪と悪』。主演を務めた熊本出身の人気俳優・高良健吾さんに、作品にまつわるお話を聞きました。
今作で監督デビューした齊藤勇起監督とは、助監督の頃から親しかったそう。本作の脚本には設定をあえて詳細に書いていない部分が多く、高良さんは「俳優がどれだけ理解して演じたかが現れる作品になると感じた」と言います。一方で、観客に考えてもらう部分も数多くある映画だと言い、「監督が見ていただく方の力を信じているということ」と力を込めます。
高良さん演じる春は地元の表と裏を行き来し、闇の仕事もしながら自分と似た境遇の少年たちの面倒を見る人物。「分かりやすくオラついた芝居だと小物っぽくなるので抑えました。懐の深さや底知れぬいびつな部分を出したかった」
幼なじみ役の大東駿介さん、石田卓也さんと高良さんは10代の頃からオーディションでよく会っていて、同じ時代に同じハードな現場を踏んできた同志のような関係。それぞれが考えたものを出し合いながら演じた終盤の祭りのシーンが一番印象深く感じたそう。また、椎名桔平さんや佐藤浩市さんら名優との共演を「いまだにとがっていて、あのようなキャリアになるまでにどれだけの真剣さが必要なのか…」と思いを巡らせます。「新しい自分に出会え、新しい価値観も感じていただける作品。その意味ではスケールがでかい映画なので、ぜひ劇場でご覧ください」と呼びかけていました。
(フリーライター 上妻祥浩)
Information
監督・脚本/齊藤勇起
出演/高良健吾、大東駿介、石田卓也、椎名桔平、佐藤浩市(特別出演)、村上淳、市川知宏、勝矢ほか
【ストーリー】
ある田舎町で中学生の正樹が殺され、親友の春、晃、朔は犯人と思われる男の家に押しかけ、もみ合ううちに1人が男を死なせてしまう。彼は家に火を放ち、事件は幕を閉じた。そして20年後、町で再び少年が殺されたことをきっかけに、それぞれの道を歩んでいた3人は再会する…。
上映館
- TOHOシネマズ宇城
- ユナイテッド・シネマ熊本