全ての子どもに届けたい言葉【つんどく よんどく】
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うつくしいってなに?
今年もブックサンタの季節が来た。年末の恒例になりつつあるが、ご存じない方のために説明すると、これは困難な境遇にある子どもに本を贈る取り組みだ。参加方法は実施書店で本を買って、店員さんに預けるだけ。簡単なので皆さん、気軽に寄付しましょう。
それで私はというと、今年はこの絵本を贈りたい。
詩人・最果タヒの短くて豊かな言葉と、絵本作家・荒井良二の色鮮やかな温かい絵で描かれた世界。女の子がそこにいて、それを見る。やがて夜が来る。暗い、でも輝く世界は毛布のように女の子を包み、眠りの国へ連れていく。
「うつくしいってなに?よるねむたいきみにおやすみっていってくれるすべてのもの」
最後のこの言葉は、全ての子どものためにある。だから大人はちゃんと言わなくてはいけない、おやすみと、全ての子どもに届くように。希望とは多分そういうことだ。