ゆったりとしたカフェの空間で箱庭療法のワークショップも【すてきびと】

コーヒー好きが高じて、「豆の焙煎（ばいせん）や入れ方などを学ぶうちに、一生の仕事として考えるようになった」という池上さん。歯科衛生士の仕事の傍ら、コーヒーの提供と共に「箱庭療法」という心理療法を行うワークショップに取り組んでいます。

「箱庭療法」は欧米で開発された心理療法で、日本でも広く用いられています。まずは砂の入った箱の中に自由に木や動物の模型、人形などを置き、自分だけの箱庭を作ります。その箱庭を見ながらセラピストと対話をすることで、言葉にできない感情や思いを表現し、自分の内面を探求していきます。

「心理療法と聞くと敷居が高く感じますが、カフェでコーヒーの香りに包まれて砂に触れていると、不思議とこれまで気付いていなかった自分の内面が見えてくることもあるようです」

さらに現在、遠隔地から仮想空間で箱庭療法に取り組める『VR箱庭』の研究を進めているそう。「日常から少し離れて、コーヒーを飲みながらゆったりとした空間で箱庭を体験してもらえる拠点を作るのが、今年の目標です」