国登録文化財の旧医院をカフェに 人と人がつながる場を提供したい【すてきびと】

1964年、熊本市出身。夫の実家である国登録有形文化財・旧髙木医院（菊池市隈府）を改装し、2022年8月、カフェとしてオープン。地域活性化を目指し菊池市と包括協定を結び、ワークショップや移住者交流会などを開催。菊池市で夫と義母の3人で暮らす。

欧州の伝統的なハーフティンバー工法で建てられた築90年超の旧医院を改装し、カフェを営んでいます。医院は夫の祖父と父が診療していましたが、2021年に医院としての役目を終えました。建物に面した通りは、菊池神社の御神木や松囃子（まつばやし）能場など史跡が点在する一方で、足を休める飲食店が少ないことから、趣のある建物を活用しようと開業しました。

建物は国登録有形文化財であるため、「ゆがんだ窓枠を一つ一つ採寸して二重窓を作るなど、当時のデザインを極力残しながら居住性を高めました」。飲食業の経験がないからこそ、いろんなことに挑戦しようと前向きに考え、カフェを会場にさまざまなイベントを開催。菊池の魅力を伝える人たちとの出会いをきっかけに、「地域活性化の一端を担えれば」とカフェの一部や隣接する宿泊施設をワーケーション施設として貸し出す取り組みも始めました。地域の観光拠点を目指し、菊池市と包括協定を結ぶことになりました。「今後は披露宴など、家族の思い出を刻む場として活用してもらえるとうれしいです」