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【猫部長の業務報告⑥】同時多発白猫事件

白猫騒動の調査中に樹上で撮影された2匹の白猫

熊本県上天草市の離島・湯島で、約250匹の猫たちの健康管理に奔走する「湯島猫部」の部長・林愛子さんが、島猫にまつわるさまざまなエピソードをつづるブログです。

猫部には「同時多発白猫事件」として歴史に刻まれている出来事があります。

2024年秋頃に「知らない白猫がうちに来た」という報告が殺到したのです。

島の中腹辺りのノラ猫の子供が成長と共に食料が足りなくなり、餌をもらえる場所に流れ着くというのはよくあるパターンですが、やけに件数が多い上に場所がバラバラ。一体何匹いるんだと頭を抱えました。

調査の結果、その年生まれの白猫は計5匹、うち2匹に放浪癖あり。まとめて同じところに現れれば分かりやすいのですが、どうやらこの2匹が日替わりで数カ所に出没して混乱を引き起こしていたようです。

そんなお騒がせ放浪コンビが、ライブカメラにもちょくちょく登場する「だんご」と「しらす」です。どちらも雄で、顔も体格もそっくりなのですが、しっぽの長さが決定的に違います。

だんごとしらす

だんごちゃんは、しっぽが熊本の郷土料理「だご汁」のだご(だんご)に見えたことが名前の由来です。

しらすくんは、ネタ切れして何も思いつかないでいたところにちょうど居合わせた猫写真家さん(simabossnekoさん&ぺにゃんこさん)が名付け親になってくれました。

見た目は似ている2匹ですが、性格は全く違います。

しらすくんは甘えん坊でかまってちゃん。おしゃべりで自己主張が強く、気に入らないとニャーニャー抗議してきます。

だんごちゃんは物静かで、ちょっと何考えてるのかよく分からないタイプ。近寄ってきたから撫でようと手を伸ばすとスッと避けられたりします。

2匹の性格の違いは、去勢手術のためにケージに入れて島外の病院へ連れて行った時にも如実に現れました。

ケージの中でわーわー大騒ぎするしらすくんと、悟りきったような表情で鎮座するだんごちゃん。

人間にもいろんな人がいるように、同じ猫でも、同じ毛色でも、やっぱりそれぞれ違います。猫も人もいろいろ。だからこそ、面白いのかもしれません。

個性派揃いの湯島の猫たちを見ていると、退屈することがありません。

はやし・あいこ=1978年生まれ、熊本市出身。2019~2024年に湯島地区の地域おこし協力隊として活動し、湯島に移住。「人と猫との共生」を目指して、島内外のメンバーと「湯島猫部」を立ち上げ、猫の名簿作成、避妊・去勢やワクチン接種等の健康管理などさまざまな取り組みを続けている。

インスタグラム@cat_island_yushima.nekobu

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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