子どもの心に寄り添う「戦争」と「平和」の伝え方とは? 戦後80年の今、親子で読みたい絵本3選【子育てラボ】

目次
[VOL.568]知る・学ぶ
今年は戦後80年という節目の年。子どもたちに「平和」や「命の大切さ」をどう伝えるか―。難しいテーマこそ、絵本の力を借りて語り合いませんか。今回は、“戦争と平和”をテーマにした小学生にお勧めの絵本について、熊本県立図書館『こども本の森 熊本』(中央区)の司書小田桂子さんに教えてもらいました。
『せんそうしない』


- 講談社 1430円
- 小学校低学年向け
- 谷川 俊太郎/文
- 江頭 路子/絵
「ちょうちょと ちょうちょは せんそうしない」。美しい夏の風景の中、子どもたちが元気に駆け回る様子と、谷川俊太郎さんのシンプルで力強い詩が、心に響きます。「せんそうしない」という言葉がやさしく繰り返される中、不意に出てくる「せんそうする」の言葉に子どもも大人もはっとさせられる一冊です。
『ぼくがラーメンたべてるとき』


- 教育画劇 1430円
- 小学校中学年向け
- 長谷川 義史/作・絵
平穏な部屋で「ぼく」がラーメンを食べている時、隣の家、隣の国の子どもたちは何をしているのだろう? 同じ時代を生きていても、遊んでいたり、働いていたり、倒れていたり、環境や状況はそれぞれ違います。世界のどこかにいる誰かの暮らしを想像することで、何げない日常の中にある“平和”に気付くことでしょう。
『せかいで いちばん つよい国』


- 光村教育図書 1650円
- 小学校高学年向け
- デビッド・マッキー/作
- なかがわ ちひろ/訳
「せかいじゅうの人びとをしあわせにするため」。そう言って、大きな国の大統領は次々に戦争をしかけ、世界を征服していきます。しかし、最後に残った小さな国は武器を持たず、大国の兵隊を“お客さん”のように温かく迎えました。本当の「強さ」「幸せ」とは何かを深く問いかける絵本です。