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子どもの予防接種【家族の心配、不安に応えるQ&A】

目次

Q.なぜ予防接種を行う必要があるのでしょうか。

免疫獲得して予防

予防接種の目的は、感染症から子どもたちの命を守ることです。毒性を弱めた病原体(ウイルスや細菌)、あるいは毒素を前もって投与しておくことにより、その病気にかかりにくくすること(免疫獲得)で予防します。

感染症が重篤な病気だという実感がないかもしれませんが、例えばポリオはかつて国内で毎年約1000人の乳幼児が感染し、100人以上が死亡していました。多く発生して社会問題化していた脳性小児まひは、1961年のワクチン導入後に激減し、80年以降は自然(市中)感染は報告されていません。このワクチンによって世界で1600万人が救われたと推計されています。

家族で考える機会を

一方で、患者数が減るとワクチンの副反応が目立ち、ワクチンを打たない方が良いのではないかという意見も出始めます。しかし、もし一人でもポリオ患者が発生すると世界中に広がり、10年以内に最大で20万人の子どもたちに感染すると予想されています。

このように予防接種は「社会全体で子どもたちを守る」という役割があるといえます。破傷風やジフテリアの予防と治療確立という偉業を成し遂げた小国町出身の医師・北里柴三郎博士は、「医の基本は予防にある」という言葉を残しています。

インフルエンザや新型コロナウイルスなどの治療薬が出てきていますが、命に関わる重症化を防ぐには予防接種が最も効果的です。感染症の中には胎児に障害を引き起こすもの、がんに関連するものもあり、予防は重要です。ある確率で副反応もあります。メリットの方が大きいことを確認するなど、予防接種について家族で考える機会を持ってみましょう。

熊本大学大学院 生命科学研究部 小児科学講座 准教授

松本 志郎さん

感染症の重症化を防ぎ子どもたちの命を守りましょう

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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