10人に1人の乳幼児が経験 熱性けいれんの対処法【子育てラボ】
目次
[VOL.532]知る・学ぶ
「熱性けいれん」は決して珍しい病気ではなく、生後6カ月から5歳までの乳幼児期に約10人に1人が一度は経験するといわれています(※)。今回はその症状や対処法について熊本市消防局の阿部毅さんに教えてもらいました。
※熱性けいれん診療ガイドライン2023
教えてくれたのは
発症した場合は保護者が落ち着いて行動し、観察することが大切です
熱性けいれんとは?
38度以上の発熱に伴い、けいれんや意識障害を起こす病気のこと。
どんな症状?
けいれんのタイプは主に3種類あります。5分以内で症状が治まることが多く、その後意識が回復します。
- 手足が突っ張ったり、体が硬直したりする
- 体がガタガタ・ぴくぴくと震える
- 1・2の両方を発症する
上記の症状に併発する主な症状
嘔吐(おうと)する・白目をむく・焦点が合わない・顔や唇の色が青ざめている
熱性けいれんを発症した時の対処法
- 布団や床など平らな場所に寝かせる(嘔吐した場合は横向きに)
- 周囲に危険物がないか確認し、安全を確保する
- けいれんの持続時間や様子を観察する
突然子どもがけいれんを起こすと、親はパニックになりがちですが、発症時の様子を救急隊や医師に明確に伝えることで、原因の解明にもつながります。もし余裕があれば、動画撮影も有効です。
NG やってはいけないこと
- 「口の中にタオルや指を入れない」
-
[理由]嘔吐の誘発や窒息の恐れがあるため
- 「ゆすったり、たたいたりしない」
-
[理由]強い刺激はけいれんを悪化させる要因に
- 「けいれん直後に飲み物や薬を与えない」
-
[理由]誤嚥(ごえん)や窒息を避けるため
こんなときはすぐに医療機関を受診!
- けいれんが5分以上続く
- 1日に何回もけいれんを繰り返す
- けいれんが治まっても意識が戻らない
SOS 受診を迷った際の相談窓口
- かかりつけ医や休日当番医
- 熊本県こども医療電話相談(#8000)
- 受付
- 平日:19時~翌朝8時
- 土曜:15時~翌朝8時
- 日曜・祝日:8時~翌朝8時
- 受付
熊本市消防局では「熱性けいれん」について動画で分かりやすく解説しています!
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