木のぬくもりを堪能した山登り【村上美香のヒトコトつれづれ】
10年以上ぶりに山登りに挑戦しました。目的地は山都町にある標高1341mの目丸山。私が担当するラジオ番組にゲスト出演してくださった九州脊梁(せきりょう)トレイルコーディネーターの石井陽子さんが案内人というぜいたくな山登りです。
杉の人工林をしばし歩くと、ブナ、ナラ、モミなどが広がる自然林へつながります。脊梁地帯は九州中央山地森林生物遺伝資源保存林に指定されているんですって。乾いた落ち葉を踏みながらゆっくり歩く原生林はとても心地よく、自然と呼吸も深くなります。訪れた頃はちょうど紅葉のピーク時で、標高1200m付近では赤、朱色、黄色、薄緑とグラデーションが美しく、上ばかり見て首が痛くなるほど。「圧倒的な紅葉は西日本一」と評されるのもうなずけます。
また、目丸山には巨木も多く、ブナの木に抱きつき、幹回り4.3mのツガの木の懐に抱かれ、ヒメシャラのしっとりとした木肌をなで、全身で木の温もりを堪能しました。
それにしても案内してくださった石井さんの身のこなしの軽やかなこと。ハァハァ、ゼイゼイ言いながら登る私と違って、息ひとつ切らさず、斜めになっている山道も体幹がブレることもなく軽やかに登っていくのです。とても同年代と思えない! その理由を聞けば、「1カ月の半分は山道を歩いている」とのこと。好きな山道を歩いていると自然と体づくりもできるそうです。私はガクガク笑う膝を鎮めつつ、次の山登りのための体力づくりを心に誓うのでした。