練習で見つけた運命のパートナー【荒木直美の婚喝百景】
第43景
最近オファーが多いのが、婚活イベントに参加する前に実施する「婚活力アップセミナー」の講師の仕事です。このセミナーは男女別々に各部屋で行う婚活レッスンで、婚活の取り組み方を男女それぞれにインストールするものです。男性版は身だしなみの整え方や婚活に適した服装の選び方、女性とのコミュニケーション方法など、婚活という土俵に立つ前に必要な身支度と心構えを確認します。そもそも婚活イベントでは内面までたどり着く時間がないので、見た目や印象で勝負が決まってしまいがち。そのため、この事前準備ができているかどうかで勝負の行方は大きく変わってくるのです。だからこそ男性には「本番までにオシャレを研究し、少しでもかっこよくしてきなさい」と喝を入れます。
逆に女性向けのセミナーでは、身だしなみに関するレクチャーは行いません。女性は婚活へ行くと決めた日から「来ていく服」や「服に合わせたメーク」を研究して参加してくれるのでその項目(身だしなみチェック)は必要ないのです。その代わり、富士山のように高くなっている期待に触れて、現実世界の婚活事情を説明します。例えば、「竹内涼真は来ない。三代目も来ないけど、商店街の二代目は来る」と話して、イケメンがいっぱいやってくるかも…という女性の期待値を下げます。これは結婚相手に対して妥協しろと言ってるのではなく、ドラマの世界観を捨てるというか、少し期待値(ハードル)を下げて対面してもらうことで「あら、意外といい人が来てる」と感じられ現実世界で良い婚活ができるのです。さらに、まだ未熟な候補者でも「磨けば光る原石かも」と目を止めてくれることも。
こうして、男女別の事前セミナーで身だしなみと心の準備が整ったら次は「練習婚活」に挑戦です。せっかく婚活力を身に付けて準備が整ったのだから、誰でも婚活してみたいという気持ちになるのは当たり前ですよね。セミナー後の男女を「婚活練習プログラム」と説明してお引き合わせします。本番だと思うと緊張するのが人間の常ですが、結果を気にしなくていい「練習」だと思ってやると肩の力が抜けて話しやすくなり、自己紹介もフリータイムも盛り上がります。以前このように「練習」という名目で引き合わせたイベントで意気投合し交際がスタートした男女が半年後に結婚されました。「練習」という魔法の言葉が2人の背中を押すこともあるのです。誰でも最初から上手に婚活できるわけではないので、初心者の方も勇気を出して婚活イベントへ参加してみてくださいね。
事前準備で勝負は半分決まる! 「練習」と思うとうまくできる
PROFILE
荒木直美
あらき・なおみ 婚活コーディネーターとして、約2000組のカップルを誕生させた実績を持つ。婚活の心構えやカップルになるための必勝法をレクチャーする、オリジナルの婚「喝」語録が話題に。テレビやラジオでも活躍する主婦タレント。