愛した夫は別人だった！？ 見応えある骨太の人間ドラマ【カルチャールーム】

ある男 11/18（金）公開

高い評価を得た平野啓一郎の小説を、主役から脇役に至るまで充実の実力派俳優をそろえて映画化した話題作です。

里枝（安藤サクラ）は、事故死した夫の大祐（窪田正孝）が語っていた名前や素性が全く別人のものだったことを知ります。彼女から「大祐」の身元調査を依頼された弁護士の城戸（妻夫木聡）は、複雑で驚くべき真相にたどり着きます…。

ストーリーの大筋は本格的なミステリーですが、里枝、大祐、城戸の3人それぞれのドラマが丁寧に描かれ、やがてそれらが絡み合って骨太の物語になっていくさまはかなり見応えがあり、一級の人間ドラマに仕上がっています。脇役にも見せ場がしっかり与えられているのも印象的です。

ミステリーとしても人間ドラマとしても味わい深い作品です。

（フリーライター 上妻祥浩）