【429号】カルチャールーム – 円盤で時間旅行 嶋田宣明
思い出は円盤にのって… お座敷レコードコンサート
昔はレコードの新譜が出ると、ホールやイベント会場を中心に、オーディオメーカーなどが主催して、コンサート形式でレコードを聴くイベントがよく行われていました。会場のオーディオシステムも、一般家庭ではあまりお目にかかることのない高級なもので、当時、家庭用のステレオを普及させるための一翼を担っていたのでしょう。CD全盛の時代になってからは、そのようなコンサートはあまり見かけなくなりました。
そんな中、クラブやカフェとは違った場所で、いろんな音楽を聴いてもらいたいと私が始めたのが「お座敷レコードコンサート」。友人の居酒屋にあった小上がりのお座敷を使って、Lo‐Fiなシステムのポータブルプレーヤーで昭和歌謡を流すというイベントです。
カウンターの隅にプレーヤーを置き、1枚1枚レコードをかけていきます。目の前に座ったお客さんたちから「この曲がヒットしてた時は学生で、あんなことこんなことあったなぁ」なんて話が出て、それがまた他のお客さんに飛び火していくことがよくありました。いつも私たちの周りには音楽があって、それはその時代の思い出と重なっています。まさに音楽そのものがタイムマシーンと言っていいのでしょうね。
今回ご紹介するレコードは、私の学生時代の思い出と重なるガロの「学生街の喫茶店」。当時、喫茶店は恋の悩みや友人との絆を深めた大人への入り口でした。この曲を聴くたびに、胸の奥の思い出ボタンが押されてしまう、私の中の大切な一枚です。
※今回紹介したレコードは7月24日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。
しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。