【494号】カルチャールーム – 円盤で時間旅行 嶋田宣明
追いかけ続けた夢 みんなラジオから始まった
私の音楽好きのベースになっているのは「9500万人のポピュラーリクエスト」や「オールナイトニッポン」といった10代で聴いたラジオ番組。お小遣いのほとんどを、旺盛な食欲を満たすために使わざるをえない時期、レコードとかは買えず、音楽の情報を入手する手段といえば、もっぱらラジオが主体でした。
そしてある時から、いつかはラジオで番組を持って、いろんな音楽をかけてみたいという夢を追いかけるようになっていました。とはいっても、なかなかその糸口はつかめず、好きな音楽をカセットテープで編集して、友達に聴かせたりするぐらいしかできなかったのです。そんな思いを抱きつつ数十年。ちょうど団塊の世代が定年退職を迎えていたある年、思い切ってラジオ局に、団塊世代に向けた番組の企画書を提案しました。企画は認められ、自分の番組を持つことができるようになったのです。
今回ご紹介するレコードは、名古屋で活躍していた「つボイノリオ」のシングルB面の曲「花のDJ稼業」。ラジオのパーソナリティーが聴いたら、思わずうなずいてしまう歌詞の内容がツボで、手に入れた当初は何度も聞いては笑っていました。
10月といえば番組の改編期。フリーの喋(しゃべ)り手にとっては戦々恐々の時期ではありますが、いろんな媒体がある中、私のつたない喋りとヘンテコな選曲に付き合ってくれる、全国のリスナーの皆さんにこの場を借りて感謝です。
※今回紹介したレコードは10月22日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。
しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。