熊本刑務所でビジネスマナーを指導 服役者の「未来に進もうとする今」を見る【すてきびと】

生涯学習の機会を提供する「くまもと県民カレッジ」の認定講師として講話を行う傍ら、熊本刑務所の服役者に社会生活で必要なマナーなどを指導しています。

野村さんは銀行員時代に2度、振り込め詐欺を防止した経験があり、警察署や防犯連絡協議会などで度々、経験談や防止策を話す機会があったそう。

その話を聞いた熊本刑務所の所長から、「出所しても人間関係がうまくいかず再犯で戻る者が多くいる。改善するための講話をお願いしたい」と相談を受けました。「その時から、電話応対やビジネスマナーなど出所後の就労支援に関する講義や助言指導を行うようになり、今年で12年目になります」

民間人として刑務所での矯正指導に長く協力してきた功績が讃えられ、今年7月には法務大臣表彰を受けました。野村さんはSDGsにある「質の高い教育をみんなに」の精神を大切にしています。「全ての人に学ぶ権利はあると思うので、服役者の過去ではなく、未来に進もうとしている今を見ます。笑顔とあいさつで、いい人間関係を築いていってほしいと願っています」