手仕事がつないできた「つばき油」 伝統を守り、次世代に残したい【すてきびと】
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天然椿(つばき)油古式製法「東製油」
東 裕之さん
髪や肌の手入れに古くから使われてきたつばき油。品質を守るため、100年以上前に作られた搾油機を使った「玉締め絞り」と呼ばれる製法にこだわります。原料は九州内に自生する国産ヤブツバキの種子のみを使用。極上のつばき油は全国から注文が入るほどです。
元々家業の製油業を継ぐつもりはなかった東さん。上京後は音楽活動をしていましたが、31歳の時に両親を手伝うために帰郷しました。
つばき油は、天日干しした種子を砕いて蒸して臼に詰め、球状の御影石を油圧で垂直に押し付けながら抽出します。「時間をかけて搾ることで油のいい部分だけが取れる。自然な香りがします」と自信をのぞかせます。この製法は手間がかかり抽出量もわずか。雨の日は湿気で油が濁るので搾らないと言います。東さんは「品質と風味は譲れない。年を取ったら1日かかる作業を2日に分けてやるだけです」
「若い世代につばき油の良さを知ってもらいたい」とホームページでネット販売も開始。伝統を守りつつ、次世代に残そうと奮闘する毎日です。
Information
つばき油の情報や注文はホームページから。
https://higashiseiyu.myshopify.com