限られた時間を何のために使うのか【つんどくよんどく】
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アインシュタイン 時をかけるネズミの大冒険
作:トーベン・クールマン 訳:金原瑞人
誰もが一度は「時間を巻き戻せたらいいのに」と願った瞬間があるのではないでしょうか。今回はそんな思いを抱いたことのある大人にこそ読んでいただきたい絵本を紹介します。
世界最大のチーズフェアを心待ちにしていたネズミ。ところが会場へ到着するのが一日間に合わず…。
「チーズフェアに行きたい!」。ネズミのこの情熱が、若き日のアインシュタインとの出会いにつながります。見開きページのイラストには映画のワンシーンのような迫力があり、読者は夢を追い掛けるネズミと一体となって物語を楽しめるでしょう。
小学校高学年から一人で読める絵本ですが、大人が今必要とされているテーマが盛り込まれている作品だと思います。
「想像力は知識より大切だ。知識には限界があるが、想像力は世界を包み込む」。アインシュタインが残した言葉です。
限られた時間を何のために使うのか。この物語はそう問い掛けているようです。
紹介するのは
長崎次郎書店
佐藤 美和さん
コミック・児童書・学習参考書・雑貨担当。好きな動物はアザラシです