悩み迷い格闘するイ・ランと話をしよう【つんどくよんどく】
目次
話し足りなかった日
著者:イ・ラン 訳:オ・ヨンア
小説家、エッセイスト、漫画家、映像作家、ミュージシャンと多彩な顔を持つ韓国のアーティストのエッセー集。この本はお金の話から始まる。自らの収入を正直に書き、その少なさを嘆き、ほんのささいな支出すらちゅうちょする倹約の日々。ただそこに悲壮感はほとんど感じられない。著者イ・ランの語り口がユーモラスで率直だからだ。
イ・ランはよく話す。よく泣いて、しっかり怒る。そして考える。ずっと考えている。今まで感じてきた数々の痛み。女性というだけで背負わされる理不尽。自分が傷つけてしまった人のこと。亡くなった親友と過ごした日々…。一つ一つに悩んで迷って格闘する。善い人であろうと努力し続ける。それは最も大切なことだが、とても難しい。しかし諦めずに何度も向き合うその姿は誰よりもすてきだ。
この本を開いて、あなたにイ・ランと話をしてほしい。そして次は、あなたが他の誰かに話をしてほしい。聞いてくれる人は必ずいる。あなたの話には意味がある。
紹介するのは
蔦屋書店熊本三年坂
榮 詳平さん
映画と音楽と、楽しい酒のために働く書店員