絵が語り掛ける 文字のない絵本【つんどく よんどく】
目次
しま
作:マルク・ヤンセン
今回ご紹介させていただく本には文字が全くありません。では何を読むのか。答えは「絵」です。絵を「読む」絵本なのです。
大荒れの海で船が大破してしまい、乗っていた男性と女の子と犬は「しま」にたどり着きます。しかしそこはカメの甲羅の上だったのです─。
繊細で時に抽象的、そして鮮やかな色彩で、さながら絵画のような絵はさまざまな言葉を語り掛けてきます。深く淡い色合いの背景、そして描かれている生き物、特にカメの表情は実に雄弁です。少し大きめの判型の本なのでよりいっそう、その心地よい世界に引き込まれます。
私は最後のページを閉じてすぐにもう一度最初から読み返してしまいました。読み終わると自分だけの物語が出来上がります。読む人によって、読み返すたび、また違った物語が生み出されていくはずです。
読み聞かせできない分、読み終わった後にたくさんの会話が生まれる絵本です。一人で、親子で、大切な人と一緒にじっくり読んでいただきたい本です。
紹介するのは
金龍堂まるぶん店
尾方 友紀さん
先日見つけたほうじ茶の粉末でほうじ茶ラテを楽しんでいます!