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心を揺さぶる源は“自然”の中に

心を揺さぶる源は“自然”の中に
ミュージカル歌手・JKimさんの歌声に感動しました

司会という仕事柄、私はさまざまなステージの舞台裏を見る機会があります。先日、ミュージカルと吹奏楽、ダンスが共演するステージの司会を担当した時、忘れられない感動に出会いました。

ミュージカル歌手・JKimさんの歌声です。リハーサルで、ミュージカル「キャッツ」の有名なナンバー「メモリー」を聞きました。前奏に続いて彼女の第一声が聞こえた瞬間、舞台裏で待機していた私の頰を涙が伝いました。理由は分からず、ただ圧倒され、感情が追いつかない不思議な体験でした。

思い切って「どうしてあんな声が出せるのですか」と尋ねると、JKimさんは「私一人で歌っているわけではなく、私の心と声を空に飛ばし、そこから降らせるような意識で歌っているんです」と教えてくれました。その言葉に、彼女の歌が音楽を超えて“生きたエネルギー”として届く理由を感じました。

その時ふと思い出したのが、かつて詩人・谷川俊太郎さんにインタビューした時のこと。私が谷川さんに「短い言葉がなぜあれほど胸に響くのか」と尋ねた時、谷川さんはほほ笑みながら「秘密だけど僕はね、尻尾のように大きなホースがお尻についていて、それを土の中にブスッと刺して言葉を吸い上げているんだよ」と話してくださいました。

空へ放たれ降り注ぐ歌の感動と、大地から吸い上げられた言葉の感動。どちらも人の心を揺さぶる源は“自然”にあるのかも。そんなことを思い出しながら空を見上げ、土を踏みしめるとうれしい気持ちになるんです。

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

心を揺さぶる源は“自然”の中に

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この記事を書いた人

1971年、熊本市生まれ。第一高、熊本大文学部卒。94年に熊本県民テレビ(KKT)にアナウンサーとして入社。夕方の人気番組「テレビタミン」を21年間担当した。2018年春、同番組を引き継ぎ、KKTも退社。「ヒトコト社」代表。

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