今が旬!梨農家の孫が語る「荒尾梨」の魅力【熊大生のイマドキヒマドキVol.72】

Rina
梨が好きな教育学部の1年生。もうそろそろ、梨が市場に出回るころでそわそわしている。


私の祖父母は50年以上続く荒尾梨の農家をしていました。
私は生まれたころから常に梨が周りにある生活で、祖母が栽培に取り組む様子をずっと間近で見てきていたため気づいたら梨のことが好きになっていました。


梨って甘くて美味しいし、夏の疲れた心と体に染み渡る果物ですよね。
でもそれがどうやって育っているのか、どんな品種があるのかって、意外と知られていないと思うんです。
読者のみなさんにも梨にもっと興味を持ってほしい!!
ということで今回は、私が大好きな「梨」について紹介します!
梨ができるまでの年間スケジュール
梨を収穫するまでにはたくさんの作業があります。
収穫するまでの1年間、私の祖母がどのような仕事をしていたのかを紹介します!
※あくまで私の家族が行っている流れになります。
各農家さんの育て方があるため、どの梨農家も同じとは限りません。
月 | 作業内容 |
---|---|
11~12月 | 落ち葉拾い→土を耕す→土に肥料を混ぜる(土づくりの季節) |
1月 | 剪定(枝を整えて来シーズンに向けた準備) |
2月 | 剪定+追肥(土に栄養を入れて休眠中の木を支える) |
3月 | 枝の誘引/つぼみのビニールがけ/消毒/花摘み |
4月 | 花摘み→授粉→摘果(不要な花や実を取り除くことで質を高める) |
5~6月 | 実への袋掛け(虫や病気対策) |
7~10月 | 収穫→出荷(熟れた順に丁寧に摘み取っていく) |
1月 剪定


運搬車で剪定した枝を集めている様子です。
枝を整えて来シーズンに向けた準備をしています。
3月 つぼみのビニールがけ
梨は1本の木だけでは実が付きにくく、相性の良い異なる品種間で人工授粉を行います。
つぼみにビニールをかけることで、まだ冷たい3月の外気に触れずにその空間が温まるため、早く開花します。
授粉用の花粉として使うために早く開花させる必要があります。
3~4月 花摘み


私の家の場合は「新興」という品種の梨の花粉を授粉用に使っており、それを他の品種の花に人工授粉させていました。


摘んだ花から授粉用の花粉を採る準備をしている様子です。
花を脱穀機にかけてふるいにかけ、残った「葯(やく)」から花粉を採ります。
葯は温度や湿度が適切に管理されていないと、うまく花粉が採れません。
この写真は、葯を温める準備をしているところです。
摘んだ花の量に対して採れる花粉の量が本当に少ないので、4月の作業は大変でした。
4月 授粉


人工授粉させたところの写真です。
採れた花粉を梵天で一つ一つ花に押し付けて授粉させる作業は骨が折れます。
花粉をピンクに色付けしているため、授粉させた花には周りに比べて色がつきます。
4月 摘果


なり始めの梨の実です。
このころに摘果を行います。
5~6月 実への袋掛け
時期に合わせて梨農家は袋掛けなどを行い、虫や病気対策をしています。


袋掛けをした梨です。
この袋は「有袋(ゆうたい)」と呼んでいます。


無地の袋は「無袋」と呼んでいます。
7~10月 収穫→出荷




収穫した梨は大きさ別で分別します。


同じ品種でもこんなに大きさの差が出るんですよ!
いろいろあるぞ!荒尾梨の品種
荒尾梨にはいくつかの種類があります!
みんな同じように見えるかもしれませんが、じつは味も出荷時期も結構違うんです。
幸水(こうすい)
7月下旬ごろから出荷される、甘くてみずみずしい王道品種。
初物好きな人におすすめ!
豊水(ほうすい)
8月ごろによく売ってあるのはこの品種。
甘さと酸味のバランスが良くて、夏の終わりにぴったり。
冷やして食べると最高です。
新高(にいたか)
9月ごろに出回る大きめの梨。
荒尾梨の中でもっとも有名であり、「ジャンボ梨」と呼ばれることも。
見た目も立派で、味は優しく上品。プレゼントにも◎。
ことのみ
私のイチ押し。荒尾の新ブランドで、主に「あきづき」という品種のことを指します。
あきづきは「新高」「豊水」「幸水」を掛け合わせてできています。
「そのまま」だけじゃない!梨のおいしい食べ方
これまで育て方を紹介してきましたが、もちろんみなさんには梨のおいしさを知ってほしい!
梨は「カットしてそのまま」以外にもいろんな食べ方があります。
私のおすすめの食べ方をご紹介します。
① そのまま
冷蔵庫で冷やした梨をカットしてそのまま食べる。
やっぱりこれが原点にして頂点の食べ方。
② すりおろして
大根おろしで実をすりおろして、冷凍庫で冷やすとシャーベットに!!
小さい子も食べやすく、おやつにピッタリです。
③ サラダの中に
梨のシャキシャキしてみずみずしい味わいが、レタスなど葉物野菜のサラダによく合う。
甘さもいいアクセントになってGOODです。
梨は水分量も多くさっぱりとした味わいをしていて、暑い季節に食べやすいです。
デザートはもちろん、ドリンクやおかずなどアレンジが効きやすい果物なので、ぜひいろいろ試してみてください!
さあ、あなたも梨を楽しもう!
育てて食べて、そして伝える梨の話。
この記事をきっかけに、少しでも梨のことを身近に感じてもらえたら嬉しいです。
荒尾の梨、今年も美味しくできていますよ。
どうぞ、お好みの食べ方で楽しんでみてくださいね!