Vol.1台湾の最新ビール事情を現地記者に聞きました【台湾ってこんなトコ】
台湾をはじめ12カ国・地域から現地発のアジア経済ニュースを日本語で配信しているニュースメディア「NNA」。この連載では、NNA台湾の記者が台湾の暮らしや文化、習慣など、現地ならではの情報をお届けします。
(毎月1回更新)
台湾の夏は暑過ぎ!とりあえずビール?
若者や家族連れでにぎわうビールフェスティバル
▲台北で開かれたビールフェスティバルは若者らでにぎわっていました=7月22日、台北(NNA撮影)
真夏を迎えた台湾。
台北の昼間の気温は連日30度を超え、外を少し歩くだけで汗ばむ熱気に参りそうになりますが、そんな時に飲みたくなるのがビールですよね。
台湾の暮らしや文化、習慣などを紹介する連載の第1回は、台湾のビール事情についてお伝えします。
台湾各地ではいまビールフェスティバルが開かれています。7月下旬の週末、台北の公園で開かれたフェスに足を運ぶと、若者のグループや家族連れ、カップルなど大勢の来場者でにぎわっていました。
▲ビールフェスティバルではステージも設けられていました=7月22日、台北(NNA撮影)
会場には台湾ブランドのクラフトビールやハンバーガーなどのフードを販売する約70のテントがずらり。
キッチンカーでの販売もあり、来場者はビールや食事を購入すると芝生の広場に持ち込んで思い思いに味わっていました。
「一般のお店ではあまり売っていない珍しいビールを楽しめる」「緑豊かな公園で飲むのは気持ち良い」。来場者にフェスの魅力を尋ねると、こう答えてくれました。
台湾ビールとは一味違うクラフトビールも人気上昇中
外食文化が根付いている台湾では、飲食店でもビールは欠かせません。
台湾風居酒屋の「熱炒店」では、リーズナブルな価格の台湾料理と「台湾ビール」を楽しむことができます。人気店では同じテーブルの人の話す声が聞こえないほどにぎやかです。
台湾ビールのような大手企業の商品とは一味違うクラフトビールの人気も高まっています。台湾では酒類の専売制が長年敷かれていましたが、2002年の世界貿易機関(WTO)加盟に伴い、民間による酒類の醸造が認められ、クラフトビールのブランドが誕生しました。代表的なブランドの一つが「台虎(タイフー)」です。
クラフトビール専門「タップルーム」が続々
同ブランドを運営する台湾の会社、台虎精醸は14年に台北にタップルームをオープンしました。
タップルームとはクラフトビールを専門に提供するお店のこと。当時の台湾では珍しい存在でしたが、いまでは台虎精醸以外のタップルームも多くあります。
▲台虎精醸のタップルームは平日の夜も大勢の若者らでにぎわっていました=7月17日、台北(NNA撮影)
7月の平日の夜、台北にある台虎精醸のタップルームを訪れました。午後9時ごろになると店内はほぼ満席に!カップルや友人同士のグループもいれば、一人で飲みに来た人の姿も。
▲台虎精醸のタップルームはカウンター席も備えています=7月17日、台北(NNA撮影)
食べ物も充実していて、ハンバーガーや台湾の魯肉飯も楽しめるから、週末には子ども連れのファミリーも来店するのだとか。
コンビニにもクラフトビールがズラリ
▲コンビニの店頭には大手メーカーのビールだけでなく、クラフトビールもたくさん並んでいます=8月2日、台北(NNA撮影)
クラフトビールを楽しめるのはタップルームだけではありません。
コンビニの店頭には台湾ビールを含めたくさんのビールが並んでいますが、都市部の店ではクラフトビールをプッシュしています。
台虎精醸は台湾のクラフトビール業界で最も早くコンビニでの販売を始めたブランドでもあります。最高経営責任者(CEO)のウィニーさんは「今はコンビニが最大の販売チャンネル」と教えてくれました。
コンビニでビールをよく買って飲む友人たちは、お店で飲むより安上がりなことと手軽さが魅力だと言います。自宅でドラマを見ながら、一人で乾杯する。そんな楽しみ方もあるようです。
この記事を書いた人
張成慧(チョウ・ナルエ)
NNA台湾編集部に勤める30代の台湾人女性。大学時代に交換留学生として日本に約1年間滞在して以来、日本が恋しく年に2回のペースで各地を訪ねています。旅やアート作品などを通じて、自身の感性が磨かれるものごとを見つけるのが好き。