【沖昌之の湯島日記①】立ち尽くす「しまさん」

 猫写真家の沖昌之さん＝東京都＝は、熊本県上天草市の湯島をたびたび訪れ、見たことがないような島猫たちの日常をカメラに納めている。お気に入りの写真とエピソードを寄稿してもらった。
(5回続き、毎週金曜日アップ)

　湯島に初めて足を踏み入れた日、雨が降っていました。通常、雨の日は撮影に出かけませんが、初上陸の猫島で初日を宿で過ごすなんて我慢できず、翌日の撮影をスムーズにするため猫のいる場所を下見に出かけました。

　撮影できればラッキー程度に考え、傘を持たず雨に濡れながら歩いていると、愛し合う二匹の猫を発見。成就するのかな？とほほえみながらカメラを構えた瞬間、メス猫に睨まれて驚いたチャトラ猫「しまさん」が後ろに飛びのいて立ち尽くす姿が。

　目線の先には愛する彼女がいるのに怖くて近づけない様子がなんとも愛らしかったです（2020年撮影）

おき・まさゆき　1978年神戸市生まれ。会社員を経て、2015年に独立。「ぶさにゃん」「必死すぎるネコ』シリーズなど著書多数　

インスタグラム＠okirakuoki
新著「これネコ　それネコ？」（インプレス）