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【スタッフ猫話】熊本の「猫島」に全国初!?の定点ライブカメラを設置してみたら…島猫たちの〝ありのまま〟 ベンチでずらりと爆睡する姿に「静止画?」

熊本日日新聞社は、「猫島」として知られる熊本県上天草市の離島・湯島に、定点ライブカメラを設置し、YouTube「湯島猫島ありのまま」と特設サイトで配信しています。全国に「猫島」と呼ばれる島は各地に点在しますが、ライブカメラの常設は、全国初(スタッフ調べ)のようです。猫島に設置したライブカメラにはどんな光景が映っているのか? 制作・運営する熊日デジタルのスタッフが終日ウォッチして見つけた時間帯別の楽しみ方などをまとめました。

■湯島ってどんなところ?

湯島は熊本県と長崎県に挟まれた有明海のほぼ中央に浮かぶ周囲約4㌔の離島です。天草・島原の乱(1637年)では、天草四郎ら首謀者が作戦会議を開いたとの言い伝えが残り、「談合島」の別名があります。マダイやウニ、天然ワカメなど豊かな海産物のほか、幻の大根と呼ばれる「湯島大根」も特産です。湯島という地名は湯島天満宮のある東京都文京区とこの島の2カ所しかありません。上天草市の江樋戸(えびと)港との間で定期船が運航しています。

■猫一匹一匹に名前

最盛期には1800人がいた島の人口は約200人。これに対し、人より多い約250匹の猫が暮らしています。2012年ごろから「猫島」としてのPRを始め、港には高さ約1㍍の猫の石像「湯島猫神(みょうじん)」が立てられました。現在は島民が猫一匹一匹に名前を付け、ワクチン接種や去勢・不妊手術などの健康管理をして「人と猫との共生」を掲げているのも、湯島ならではです。

ライブカメラの設置場所は、島の南側にある定期船発着場の目の前、「湯島猫神」の石像に隣接するフジ棚の下で、2つのベンチが並んでいます。もちろん人が座るために設置されたベンチですが、木陰で涼しいこともあり、猫たちにとっても絶好の居場所となっています。

■昼は静止画?

最も猫の姿を見ることができるのは日中です。多い時には10匹以上、ベンチの周辺に集まっています。ベンチに観光客らが座ると、人懐っこい猫たちがぞろぞろと集まってきて、瞬く間に囲まれることになります。猫好きにはたまらない光景です。猫たちは観光客らが最も来島する定期船の到着時刻を知っているかのように、10時半ごろにはベンチの上でスタンバイしています。ただ、日中のほとんどの時間、猫たちはぐっすりとベンチの上やその周辺で、折り重なるようにして爆睡しています。「静止画か!」とつっこみを入れたくなるほど、穏やかな島時間が流れます。時折寝返りする姿や夢見心地でビクッっと反応する瞬間を見て、にやりとしてしまいます。ライブカメラだからこそ、フジ棚に上って降りられなくなった子猫を、観光客が救出する瞬間もばっちり映っていました。

■朝と夜の素顔

早朝は猫が一日でもっとも活発な時間。さて、ライブカメラで元気な猫の様子を見てみるかと思って画面をのぞくと、姿が見えない。この時間、猫たちはライブカメラの画角の外で、朝のあいさつをしたり、じゃれ合ったりしています。追いかけっこしながらダッシュで駆け抜けたり、水を飲みに来たり、一瞬を見逃さないようにしなければなりません。カメラに映らない元気な姿は、島を訪れた人だけが見られる特権です。早朝の様子は、ぜひ島に泊まって確認してみてください。

夜は猫たちがそれぞれの寝場所に帰って行くので静かです。時折、涼みにきたのか、姿を見せます。夜は赤外線カメラに切り替わるので、目がきらりと光り、現れたら分かりやすいです。もともと猫たちの夜の生態は、あまり人目に触れませんので、何か発見できるかもと期待して、つい付けっぱなしにしています。

■名前を知れば楽しさ倍増

頻繁に登場する猫たちの名前を知れば楽しさも倍増します。まずは「ボン」と「ジュニア」というキジトラの2匹の雄猫の見分け方を紹介します。ぽっちゃりとした体格も良く似ています。島で直接会うと、ジュニアは両前脚をそろえた時にハートに見えるキジ柄があり、ボンにはありません。ただ、この特徴はライブカメラ目線で見ると、わかりにくいので背中の模様をチェックします。ジュニアは白地に飛び地のように丸い模様が大きく2つあり、その丸模様もキジ柄と黒柄で異なります。一方、ボンはキジ柄に切れ目がないので、上から見てもはっきりと区別がつきます。ただボンは体がどんどん丸みを帯びていき、今では〝メタボン〟と呼ばれることも。

ボン
Q太郎
ネギ

「Q太郎」は茶白のハチワレ雄猫で、背中の2カ所に大きな茶色の模様があり、しっぽは茶色です。食いしん坊で体が大きく、いつでもどこでもよく寝ています。父猫が柄がよく似た「オバケ」だと勘違いされて名付けられました。「ねぎ」は体が真っ白ですが、耳回りとしっぽはキジ柄で、頭に七三分けのような模様があるのが特徴です。性格や行動はちょっと〝天然ボケ〟なところがあり、島民からも人気があります。 特設サイト「猫島ありのまま」には猫図鑑やブログを随時追加していますので、ライブカメラとあわせて楽しめます。ブログにはサイトオープン記念で猫写真家沖政昌之さん=東京都=による寄稿も掲載しています。またインスタグラム「熊日猫島(@kumanichi_nekoshima)」ではライブカメラ以外のエリアにいる猫たちも、動画で数多く紹介しています。

■「作業用に最適」

You tubeのコメント欄には、連日さまざまな声が届いています。「なにこのチャンネル、かわいい」「癒やされる」などのうれしい声のほか、「Q太郎キター」など〝推し猫〟の待望の登場を喜ぶコアファンも。「猫好きだけど猫アレルギーで猫島行けなかったので、願いがかないました」という方もいました。

スタッフの職場では、モニターで終始流していますが、「職場の雰囲気が和む」と好評です。県内の福祉施設などで、さっそくテレビ画面で常時利用してもらっているところもあり、医療機関などでの利用もおすすめかもしれません。ライブ映像では湯島で録音した波の音もBGMとして入れています。このため「作業用に最適」として、勉強や仕事中に利用している方も多くいるようです。ぜひ猫島の〝ありのまま〟の映像から、それぞれの楽しみ方を見つけてみてください。

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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