動植物園スタッフが伝授! 親子の動物観察ナビ【子育てラボ】
VOL.470[楽しむ]
子どもから大人まで楽しめる動物園。動物をただ眺めるだけではなく、ポイントをしっかり押さえて観察するとより楽しみが広がります。熊本市動植物園飼育員の平瀬早人さんに、動物園での観察のこつを聞きました。
動物の生活時間に合わせて
動物園の動物は、それぞれに生活スケジュールが決まっています。例えば熊本市動植物園のゾウは開園直後の9時が狙い目。健康チェック後、餌を食べる様子を見られます。見たい動物のスケジュールを園に聞いてみると、生き生きと動く瞬間に出合えます。
動物同士の関係性もチェック
同じ動物間での関係性を知るとそれぞれの個性が見られて、さらに面白くなります。ゾウ舎では、お姉さんの「マリー」が強く、妹分の「エリ」の餌を横取りする様子を観察できます。名前などの情報はおりの前に掲示されていることも多いので、チェックしてみましょう。
「なぜ?」の視点を育てる
動物を見て「長い鼻だね」「派手な色だね」で終わるのではなく、「どうしてだろうね?」と、子どもが考えるきっかけになる声掛けもオススメ。正解が分からなくても、「なぜ?」の視点を育てると興味が深まります。
ゆっくり時間をかけて
お目当ての動物をあらかじめ決めて、寝ていたら起きるまで、動かなかったら動くまで…と、長めに観察するのもポイント。じっくり見ることで、新たな発見があるはずです。
飼育員の工夫も観察しよう!
動物園では「動物福祉」の考え方が基本となっています。これは、動物たちの心身共に健康な状態を目指すもの。野生動物が多い動物園では、野生に近い環境づくりも大切です。例えば、餌のやり方は野生と同じく「探して食べる」「動きながら食べる」といった状況にするため、餌を高い場所につるしたり、運動場のあちこちに隠したりといった工夫をしています。動物を見る際にはそういった飼育員の工夫も見つけて、野生動物の暮らしを想像すると楽しくなりますよ。