子どもたちを交通事故から守ろう リスク高まる7歳前後は特に注意
新学期が始まるこの時季は交通事故が増える傾向にあるとされ、社会全体で事故防止に取り組むことが求められます。小学校低学年に多い歩行中の交通事故について注意すべき点などを熊本県警察本部に聞きました。
歩行中の事故 トップは「飛び出し」
皆さんは「魔の7歳」という言葉を知っていますか。自動車と歩行者の事故件数(全国)を年齢別に見ると、小学1、2年生に当たる「7歳」が突出して多いことからそう言われます(下図参照)。県警のデータでも、県内での7歳前後の事故数が小学生全体の約6割(令和5年)を占めています。
小学生の歩行中の事故原因で最も多いのが「飛び出し」。子どもは大人に比べて視野が狭い上、興味を引かれた物に一目散に向かってしまう特性があり、つい道に飛び出してしまいます。小さな子どもほどその傾向が強くなることが分かっており、入学で単独行動の機会が増えると交通事故に遭うリスクが高まります。
事故を防ぐためには、「左右を確認し、車が止まってから渡る」などと、家庭で交通ルールを繰り返し伝えることが大切。事故リスクが高まる場面や事故を防ぐ行動などを具体的に説明し、子どもの理解を促しましょう。
一方、ドライバー側は「車の死角に子どもがいるかもしれない」「角から子どもが飛び出してくるかもしれない」と細心の注意を払って運転する必要があります。県警交通企画課の前田貴史警部は「特に学校付近を運転する際は、危険を予測しながらハンドルを握ってほしい」と呼びかけています。
POINT
「魔の7歳」歩行中の死傷が最多 〜事故につながりやすいといわれる子どもの特性〜
特性(1)子どもは大人より視野が狭く、自動車が近づいていることに気付きにくい
特性(2)興味を引くものを見つけると夢中になり、注意散漫になる
年齢別歩行中の交通事故死傷者数(令和4年、全国)
親子でチェック!歩行ルールのポイント
通学路の危険箇所を点検
交通量などの変化を見るため、朝・昼・夕それぞれの時間帯で、子どもと通学路を歩いてみましょう。見通しが悪い場所では「どうすれば安全に通れるかな」などと問いかけることで、子どもが交通ルールを考える機会になります。
信号機のない横断歩道では
- 歩行者は「手を前に」出して運転者に横断意思を伝える
- 首を動かして左右を見て、車が止まっていることを確認して速やかに横断する
信号機のない横断歩道の手前には横断歩道を示すマークや標識があります。必ず歩行者の有無を確認し、停止線で止まれる速度に減速しながら走行。横断中または横断しようとしている歩行者がいたら、横断歩道の前で一時停止を。