空いた時間にサクッとできる 一日5分のお片付け習慣
平日は仕事や育児に忙しく、休日のたびに片付けに追われる日々。なかなか片付かない部屋をどうにかしたい―と悩んでいませんか。片付けのルールと習慣を身に付けると、誰でも簡単に家を美しく保つことができます。一日5分で気軽にできる片付けについてプロに聞きました。
家を美しく保つ 片付けタイパ術
一日5分でできる「プチ片付け」を習慣にするには、まず物が散らかってしまう原因を知り、収納の場所を決めること。整理収納コンサルタントの松永りえさんに聞きました。
「きれいになる」以外にも多くのメリット
「部屋をすっきりさせたい」と思っていても、片付けはつい後回しになりがちな人もいるのではないでしょうか。「片付けると部屋がきれいに整うのはもちろん、実はそれ以外にもたくさんのメリットがあります」と松永りえさん。
片付けには主に三つのメリットがあります。
- モノを探す時間がなくなり時短につながる「時間的効果」
- 無駄な買い物がなくなる「経済的効果」
- 余計な物を買ってしまった後悔や片付けられないストレスから解放される「精神的効果」
―です。また、整理整頓された家では、けがや転倒のリスクが軽減され、備蓄品の管理や災害時の避難もスムーズにできるなど安心・安全な暮らしにもつながります。
片付けを習慣にするためには、散らかる原因と片付けのルールを知ることがポイント。松永さんは、「まずは一日5分、できることから始めて」と話します。
教えてくれたのは
あなたのお片付けレベルは?
- 無料の物はとりあえずもらう
- 捨てるのが苦手
- 洋服は脱ぎっ放しにしている
- 流行の物はつい買ってしまう
- 捨てるつもりで、半年以上たっている物がある
- 物を探すことが多い
- 手紙やチラシ類がどんどんたまる
[Lesson1]原因は「物の買い過ぎ」
「なかなか部屋が片付かない」という人は、家の収納スペース以上に物を買い過ぎている場合がほとんど。入ってくる量と出ていく量が同じでないと物は増え続ける一方です。まずは家の収納量を把握して、レッスン2に進みましょう。
片付けとは「元の場所に戻す」ということ。家の中で頻繁に使う物は家に収納している物の約3割といわれています。まずはその3割を片付けられる仕組みをつくりましょう。
[Lesson2]覚えたい三つのルール
片付けの基本は、
- 物を減らす
- 収納場所を決める
- 習慣化する
―の3ステップ。このルールを理解すれば、大抵の場所は片付けられるようになります。
3ステップのポイントはコチラ!
物を処分すべきか迷ったら、使っているか使っていないかで判断を。捨てるだけでなく、譲る・売る・寄付するといった選択肢も◎。
物の収納は使う場所の近くがベスト。同居人がいる場合、片付けが苦手な人や子どもが分かる位置にしましょう。
リバウンドを防ぐには習慣にすることが大切。一つ買ったら一つ手放したり、ケースや引き出しにラベルを貼ったりするなどして、収納量や収納場所を守るよう心掛けて。
[Lesson3]一日5分だけお片付け習慣
片付けは一気にやろうと思うと負担が大きいもの。「一日5分だけ!」など、小さな目標の方が効率的でやる気もアップします。短時間で取り組める片付け術を知り、家じゅうをすっきりさせましょう。
習慣(1)「ここだけごみ捨て」
一日に5分間だけ、食器棚やたんすの引き出しなど場所を1カ所決め、目についた不用品を処分します。毎日続けることで部屋が変わります。「使っていない物」「たくさんある物」「譲れる物」を基準に探してみて。
やり方
- 不要な物を入れるビニール袋を手に持つ。
- タイマーを5分にセットする〈テンポのいいお気に入りの曲(約5分)を流してもOK〉。
- 決めた場所で目についた不用品を袋の中に入れる。
point
5分たったら必ず終了すること! 時間制限することで逆に片付けたい気持ちが高まります。
習慣(2)「ついでに整頓」
お風呂や歯磨きといった日頃の生活習慣の中に片付けを組み込むのもお勧め。わざわざ時間をつくらなくても、以下の場所を一人一日5分取り組むだけで家の中がすっきりと片付きます。
例えば…
- 玄関
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郵便物や書類、段ボールは帰宅ついでに玄関で仕分け。手紙は玄関で開け、不要な物は即処分。必要な物はあらかじめ決めた定位置に保管する。
- 台所
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キッチンペーパーで皿を拭き、ついでに電子レンジの庫内を拭く。
- 寝室
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朝起きたついでにベッドメークをする。
習慣(3)「マストな片付けスポット」
家の中には、「この場所を優先して片付けると家が整って見える」というマストな片付けスポットがあります。一日5分でできるので家族で分担して以下の場所だけでもきれいな状態をキープできるよう意識しましょう。
マストなスポット
- ダイニングテーブル
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子どもの長期休暇中など、家にいる時間が長くリビングが散らかりやすい時は、テーブルの上だけでも片付けて。他の家具と比較して面積が大きい分、物が載っていないだけで片付いて見えます。
- 玄関
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「家の顔」と呼ばれ、常にきれいにしておきたい場所。表に出す靴は一人1足までと決め、靴はそろえてきれいに並べましょう。
- リビングの床
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床への「ちょい置き」はソファやテーブルなどに派生して、家全体が散らかる原因に。床は常に見える状態にしておくのがベターです。
片付けを継続させるコツは?
何事も継続するには、「頑張る」ことではなく「楽しむ」ことが大切です。片付けもまずは確実に達成できる小さな目標を設定し、推しグッズや趣味のアイテムなどがあるお気に入りのスペースから始めるのがお勧めです。
1カ所でも片付け目標を達成したら、「次はどこをきれいにしようかな」と、片付けが楽しみに変わります。年末年始の大掃除だけでなく、家族と一緒にゲーム感覚で始めてみてはいかがでしょうか。