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昭和のまちにタイムスリップ!「大牟田」沼へようこそ【熊大生のイマドキヒマドキVol.71】

イマドキヒマドキ2025年5月サムネ

熊本の旬な情報を発信しているKumarismのメンバーが、大学生ならではの偏った目線でモノコトを熱く語ります!

Fuya

まちあるきや旅行、そして道路の観察が大好きな大学4年生。
1年生の時に立てた「熊本県全市町村制覇!」という目標は道半ばですが…(笑)

みなさん、お久しぶりです!
文学部4年のFuyaです。

3年前、大学1年生だった頃に、このコーナーで「道路マニアの僕が国道57号への愛を叫ぶ」という、なんともマニアックな連載(全9回)を担当させていただきました。

自分でも「みなさんに読んでもらえるだろうか…」と思いましたが、予想以上に多くの反響をいただき、とても嬉しかったです!

まだ読んだことがない方は、ぜひここから読んでみてください!

さて、今回も道路…ではなく、僕が大学生になって好きになったまち「大牟田市」の良さをみなさんにお届けしたいと思います!

熊本からも近いこのまちには、他のまちでは味わえない、ディープな魅力が詰まっているのです…。

目次

大牟田市について

大牟田市は、福岡県最南端のまちです。
熊本県の荒尾市や南関町と隣接していて、熊本市からもあまり遠くないため、馴染みがあるという読者の方も多いと思います。

人口はおよそ10万人。
熊本県でいうと八代市ほどの規模です。

かつては三池炭鉱が所在し、「炭鉱のまち」として栄えた歴史を持っています。

九州の地図
Map-It マップイット | 地図素材サイト
福岡県の地図
「Map-It マップイット | 地図素材サイト」の地図を加工して使用

大牟田に「沼った」きっかけ

僕が初めて大牟田のまちを訪れたのは大学2年生の時です。
授業で「写真付きミニエッセイをつくる」という課題が出て、題材探しのために、同じ班のメンバーとフィールドワークをしました。
題材は何でもよかったので、世界遺産でもある炭鉱跡などに行けば、「何か学びがありそう」というくらいの気持ちで、大牟田をフィールドに選びました。
その時に見た、寂れたまちの様子に衝撃を受けた一方で、昔からの様子を色濃く残す風景を新鮮に感じたのです。

炭鉱鉄道の廃線跡
まちなかに残る、炭鉱鉄道の廃線跡
スーパー跡地
新栄町駅前にあるこの建物は、スーパーと思いきや廃墟

そこから私は何度も大牟田に足を運ぶようになり、気づけば大牟田の「沼」にハマっていたのです…。

華やかに栄えた過去

大牟田を紐解くには、過去に栄えていた時代までさかのぼる必要があります。

かつて炭鉱があったころ、大牟田は最大で20万もの人口を抱えていました。
大牟田には、炭鉱で働く人やその家族がたくさん住み、昭和の時代には、市街地にデパートや大型スーパーなどが次々に進出。
また、商店街も発達していて、比較的所得の高い炭鉱マン向けの貴金属店なども多かったそうです。

当時の活気は、大牟田市立図書館に保存されている、過去の新聞記事からうかがえます。
図書館には大牟田市に関する記事の切り抜きが大量に保管されていて、誰でも読むことができます。
その中には、なんと熊本日日新聞の記事もあります!
例えば1965(昭和40)年8月の熊日には、三池炭鉱のボーナス支給によって街に活気が生まれ、夏のお中元商戦の目標額を達成できたという、当時の勢いと賑わいを感じられる記事が載っていました。

現在の大牟田を見てみよう!

1997年に炭鉱が閉山し、大牟田市は急速に衰退。
特に市街地では、かつて多くあった大型店がすべて閉店してしまいました。

今の大牟田のまちには、かつての賑わいの記憶を感じられる場所が残されています。
「新銀座」という看板が掲げられたこの通りは、ほとんどが空き店舗となっています。
かつて使われていたであろうマネキンや看板が残っていて、昭和時代にタイムスリップした気持ちになります。
夜に歩くのはちょっと怖い……。

大牟田市街地
大牟田市街地

一方、こちらは銀座通り商店街。
立派なアーケードがかかっています。
ここにはかつて「松屋」という地元のデパートがあり賑わいましたが、今となっては、昼間はほとんど人の姿がありません。

大牟田・銀座通り商店街
このそばにはかつてデパートがあった…

それでも、商店街を歩くと、昔から続く老舗の商店や、飲食店がまだまだ残っています。
先日訪れた喫茶店は、昔ながらの雰囲気の内装で、お店の方やお客さんも優しく、人の温もりを感じられる素敵な場所でした。

卒論のテーマも「大牟田」に

僕はまちづくり、地域活性化に興味があり、地理学研究室で大牟田市の市街地について研究しています。
研究内容としては、大牟田で近年盛んになりつつあるまちおこしの活動が、実際のまちにどのような影響を与えるか、といったものです。

実は、大牟田では近年、主に若手による市街地活性化に向けた動きが活発になっています。
商店街の空き店舗を改装して新たな店舗をつくったり、駅前広場などで定期的にイベントをしたり…
実に多種多様なアクションが始まっています。

大牟田駅前で保存されている路面電車
大牟田駅前で保存されている路面電車。内部は近年カフェに改装され、新たな名所として人々に親しまれている

例えば、かつて美容室だった空きビルをDIYで「スイーツバー兼イベントスペース」に改装し、そこで定期的にまちづくり勉強会が開かれるなど、まちに人々が集う場所が新たに生まれています。
(僕もたまに勉強会に参加しています!)

ここ数年で様々な団体が発足し、それぞれが精力的に活動を続けていることも特徴的で、全国の地方都市が市街地の活性化の手法を模索するなか、大牟田の事例は注目に値するのでは…?と思ったのが研究のきっかけです。

それぞれ活動が始まってまだ月日が浅く、活動の効果を明らかにするのは難しいですが、「どうして活動が活発化したのか」「地元の人々は新たな動きをどう捉えているか」などといった疑問を明らかにしたいと思っています!

発表をする筆者
ゼミ発表の様子です!

おわりに

熊本からも近い大牟田市ですが、熊本県では味わえない魅力がたくさん詰まった個性的なまちです。
大牟田の方とお話ししても、「大牟田が好き」と語る人が多いのも印象的です。
みなさんも、今度の週末は少しだけ足を延ばして、大牟田に沼ってみませんか!

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

イマドキヒマドキ2025年5月サムネ

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この記事を書いた人

熊本市を中心に31万部戸別配布のフリーペーパー「くまにち すぱいす」がお届けする、熊本の暮らしに役立つ生活情報サイトです。

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