暮らしを支えるつながり【医療従事者によるリレーエッセー】

暮らしに役立つ熊本の医療情報をお届けします。
監修/公益財団法人肥後医育振興会
目次
慈愛の心 医心伝心 vol.142
私が在籍している3施設は、NPO法人「老いと病いの文化研究所われもこう」が運営しています。全国ホームホスピス協会認定の「ホームホスピスわれもこう」は、空き家を活用し、認知症やがん、難病の方の「とも暮らし」を自宅の生活に近い状況で支援しています。
「暮らしの保健室まる」(以下、「まる」)は、医療従事者が常駐し、住み慣れた地域や自宅で病気や悩みを抱えている方の困り事を支援しています。まず話を聞き、質問に答え、必要な情報を伝えながら解決の手助けをしています。必要があれば、他の専門職につなぎます。
こうした取り組みと同様に、皆さんの近くには日本癌(がん)治療学会が認定した、いろいろな職種の「がん医療ネットワークナビゲーター」(以下、「がんナビ」)がいて相談ができるのですが、残念ながらあまり認知されていません。
「まる」では、月1回地域食堂を開催しています。以前、抗がん剤治療中の一人暮らしの方が来られた時、「治療にお金がかかるのに、物価も高くなって…。体調にも波があり買い物も思うようにならない」と言われたことがありました。治療先の病院に話されたか尋ねると、「そんな話はしませんよ」と返ってきました。治療をしながら日常生活を送る大変さ。経験した人にしか分からない苦悩があるのだと思います。気持ちを吐き出したことで少しでも楽になられたら良いなと思った例でした。
あなたは、苦しい胸の内を吐き出せるところがありますか。人と人とのつながりは必ず役に立ちます。そこに、「がんナビ」がいるかもしれません。


訪問看護ステーションわれもこうぷらす
暮らしの保健室まる 看護師
認定がん医療ネットワークシニアナビゲーター
𠮷岡 恵さん





















