受精卵を連続撮影できる「タイムラプス」 良質な胚を選択できる可能性も向上
目次
[メディカル百科]産婦人科編
不妊治療の過程で行われる胚(受精卵)培養。近年、胚にあまり負担をかけずに発育を観察する技術が進んでいるそうです。詳しい話を専門医に聞きました。
─“胚に負担がかかる”とはどのようなことですか。
一般的に、体外受精した後の受精卵は、お母さんのおなかの中の環境(温度37度、酸素5%、二酸化炭素5〜6%)を再現したインキュベーターという機器の中で培養されます。その後、1日1回程度インキュベーターから胚を出し、正常に受精しているか、発育しているかを顕微鏡で観察し、再びインキュベーターに戻します。しかし、本来は体内で発育する胚にとって、一時的に外部の環境にさらされることは大きな負担になりえます。そこで近年、胚への負担を少しでも減らすための技術が開発されました。
─それはどのような技術なのか教えてください。
インキュベーター内で胚を撮影できる「タイムラプス」という技術です。具体的には、胚をインキュベーター外に取り出すことなく、10分や15分ごとなど一定間隔で写真を撮影し、それらをつなぎ合わせて動画のように見ることができる方法です。今までのインキュベーター外での観察では分からなかった、細かい異常も発見できるようになりました。
─妊娠率の向上にもつながるのですか。
“観察される”というストレスを減らすことで、良好胚になる確率も上がります。また、胚の成長をタイムラプスで調べると、正常に発育する胚とそうでない胚との違いが分かるので、妊娠しやすい胚を優先して母体に移植することが可能です。詳しくは専門医にお尋ねください。
ソフィアレディースクリニック水道町
住所 | 熊本市中央区水道町9-5-1 |
---|---|
TEL | 096-322-2996 |
店舗ホームページ | http://www.suidouchou-lc.jp/ |
目次