6月の作品：お題「お父さん」

居るいない　　足の匂いで　分かる父

お湯入れて　三分間で　父の味

甘やかし　そしてクビ切る　お父さん

お父さん　寄ってらっしゃい　夜の蝶

定年まで　稼いでくれて　ありがとう

子が生まれ　父の呼び名が　お爺ちゃん

弱いのは　ネオンの灯り　お父さん

細君の　涙に勝てぬ　お父さん

母さんの　涙に負ける　お父さん

臍出しの　娘を叱る　お父さん

父さんに　席をゆずった　おばあさん

お父さん　あっという間に　お爺ちゃん

父さんと　呼んでほしいと　リクエスト

父いない　足の臭さが　薄らぐ日

まさかの時　頼りは父の　強メンタル

いるだけで　役割果たす　父一人

母の日が　先で父の日　不平等

父さんは　いい人すぎて　出世せず

オヤジから　物頼むとき　お父さん

おねだりを　する時だけの　パパが好き

大「黒」も　ほぼ透明な　お父さん

来世では　オオタニ君の　父になる

総理殿　うちにも居ます　バカ息子

父になり　亡父の小言　身に沁みる

父さんの　威厳少々　令和かな

人生の　指針になった　お父さん

金困りゃ　普段言わない　お父さん

父になり　おやじの愛が　今わかる

嫌だった　父の苦言が　欲しくなる

父さんの　小言飲み過ぎ　後で効く

いい父は　甘い厳しい　二刀流

一度でも　呼ばれてみたい　お父上

妻と子で　決めてオヤジは　蚊帳の外

文も無く　父から届く　野菜の荷

結局は　歳だけやっと　父を越え

人柄が　良すぎた父の　幸不幸

子心に　大きな山に　みえた父

「サーバー」に　親父ボソッと　「俺は鯵」

母は海　父は山とは　云うけれど

威厳ある　昭和の父が　ノスタル爺

定年後　自信あります　家事親父

母さんと　言うが父さん　何故云えぬ

プロレスは　仮想現実　入り込む

トンカチで　よく指たたく　器用者

三変化　パパから父へ　次オヤジ

暦見て　何で先来る　母の日よ

菊池寛　いいえ不倫の　父帰る

かあさんの　尻に敷かれて　半世紀

娘から　アッシー君と　呼ばれてる

お父さん　ライン着いたか　つい電話

太っ腹　言われた父も　年金に

一度でいい　大黒柱と　呼ばれたい

お父さん　元気で留守が　一番よ

お父さん　やっぱり恐い　妻の文字

お父さん　初孫生まれ　おじいちゃん

ヘルプミー　大黒柱　もう限界

何でかな　熊出没に　オヤジ出た

倒産で　地獄絵を見た　父さんさ

オヤジギャグ　　言った途端に　無視をされ

存在感　表わすような　薄い髪

自慢には　ならない父の　武勇伝

父さんの　居場所は　母の尻の下

浴びるほど　飲んでた酒も　弱くなり

今ならば　父の行動　納得す

父さんの　洗濯物は　別にする

父の日は　関心ないと　知らされた

母の日は　あんな盛大　だったのに

本日は　父の存在　問われる日

お父さん　腹といびきで　存在感

肩書きが　消えても家じゃ　父のまま

昭和では　特等席で　見るテレビ

父の日と　知ってはいたが　知らぬふり

監督に　なって親父の　顔になる

さりげなく　明日は父の日　独り言

半世紀　過ぎて父さん　爺になる

父笑顔　ナイススコアー　血糖値

お父さん　ボーナス出ないが　腹は出た

髭は濃い　髪は超薄　お父さん

母の愛　父のお金で　今がある

父哀れ　給与振り込み　威厳無し

愛煙家　そんな肩書き　やめた父

娘には　優しい父も　鬼上司

初めパパ　次お父さん　今親父

今年こそ　父の日期待　大吟醸

孫くると　デレデレ顔で　お出迎え

父さんの　稼ぎを言うな　今日の膳

イヤだなあ　よく似た父が　参観日

父さんの　価値が我が家で　安すぎる

父さんの　仕事ぶり知る　業界紙

父と兄　参観日には　揃い踏み

父さんが　稼いだ金が　減って行く

影薄く　最後にその名　表札に

年とれば　居場所と威厳　縮むのみ

平社員　帰れば家長　お父さん

孫ができ　益々はりきる　お父さん

お父さん　スリムだけれど　太っ腹

スピードを　落として上がる　父の株

父の日に　初肩たたき　目から汗

返納し　暑さ寒さも　一万歩

子の名前　忘れても飯　忘れない

卒アルで　少年に戻る　父がいる

孫の笑み　腰痛消えて　えびす顔

ママよりも　減点パパが　僕は好き

父の日を　指折り数え　待っている

お父さん　御母上とは　核違う

女房の　尻に敷かれる　快適さ

おとうさん　爺ちゃん七人　爺セブン

終戦後　弱くなったね　お父さん

肩たたき　家で歓迎　お父さん

朝一の　ラジオ体操　うざい賞

父の日に　１００均贈り　タイを釣る

威厳ある　昭和の父は　いま何処

その昔　父さんだった　おじいちゃん

プラモデル　父が完成　子を泣かす

猫まんま　先を越されて　立場知る

たわむれに　妻を背負いて　父潰れ

靴やめて　　　下駄が待ってる　定年後

お父さん　猫なで声で　頼まれる

お父さん　貧乏くじの　宝庫です

妻の声　怒りを含んで　お父さん

父の日を　誰も気付かず　一人飲む

叱れない　尻に敷かれる　おとうさん

お父さん　白い巨頭　鏡見て

いつだって　寡黙な父は　割りを食う

父の日に　何にもくれん　娘たち

父の日に　御飯とおかず　作らせる

父の日に　流しに茶わん　運ばせる

出稼ぎの　昭和の父は　痩せていた

親子だね　お父さん似の　加齢臭

定年後　憧れ捨てて　主夫になる

酒あとの　父の眠りとは　眠れない

気まぐれで　呼んでみました　お父さん

貫禄が　だんだん薄く　なって行く

父の日を　知らない振りの　お父さん

ミニカーを　見ると子供に　戻る父

父の部屋　娘出戻り　明け渡す

今日もまた　留守でいいのに　父帰る

怒る父　三分待てば　回復す

昭和まで　威厳があった　お父さん

リモコンと　お箸持つのが　仕事です

お父さん　金普請には　さんがつく

母の日の　ときは前から　さわいでた

父という　孤島と母という　巨塔

振られると　人生訓を　たれる父

毎日が　父の日だった　吾の生家

父の日は　焼肉パーティー　おひとりで

父さんと　呼んでいるのは　俺一人

いつやるの　後で後での　お父さん

無口でも　動いて示す　思いやり

家事育児　共力すれば　上手くいく

ありがとう　ひと声かけて　上機嫌

愛してる　年金がある　ハズバンド

父さんが　小さく見える　定年後

忍び足　グーの音も出ぬ　朝帰り

お父さん　カレー以外は　すべて箸

父さんと　言われる内が　華だった

お父さん　あんたはじゃまと　追いやられ

今年こそ　父と一緒に　ビアガーデン

鍵付きの　トイレがわたしの　アナザースカイ

グチばかり　言ってる父を　母フル無視

焦るなと　写真の父に　笑われる

父に手を　ひかれた道で　椅子を押す

親父らが　　全員振り向く　お父さん！

母さんに　仕切られている　父がいる

呼ばれても　オレはあんたの　父じゃない

女子旅中　LINEせんでよ　お父さん

「父上」と　インコに仕込む　うちの父

嬶折れ　貴男と呼べば　なんてやと

お父さん　斜め後ろに　妻の顔

家庭でも　居場所のない　お父さん

都合よい　時だけ耳が　よく聞こえ

倦怠期　お前と呼べば　なんかいた

セルフレジ　父の後ろに　行列が

お父さん　嫁から呼ばれ　顔ゆるむ

犬、猫、孫、　ようやく俺の　飯がきた

最期まで　一本道の　父だった

金曜日　ヒラから社長に　なる飲み屋

子のために　父のハードル　下げておく

父さんが　おやじになった　時系列

嫌味より　優しさをくれ　お父さん

父帰る　出迎え無くて　また家出

お父さん　パパと呼んでた　子の成長

今日こそは　明日明後日と　禁煙延び

お父様　言われて呼応　お嫁様

父の日が　サービス提供　する側に

父の日が　もうすぐだねと　振っておく

真顔では　呼ばれたくない　お父さん

痴話喧嘩　やっぱり折れた　お父さん

父の日を　一度祝って　欲しかった

ダメ父の　ダメなとこだけ　子が真似る

父さんが　釣りが上手と　知ったキャンプ

父の日は　母の日よりも　分が悪い

頑張れと　いつも背を押す　人でした

強面も　微笑み返す　人となり

差し向かい　猪口に親父の　影やどし

お父さん　王と奴隷の　二刀流

終活で　買った日記で　昼寝する

五十年　嫁と姑の　板挟み

掌を開けて　生命線を　そっと見る

父の日は　自宅でじっと　待機する

入歯いれ　さておもむろに　笑いだし

飲み食いと　たまに転がる　胡坐かな

定年で　湯呑座布団　持ち帰る

お父さん　お呼びじゃないと　ひとり飯

父さんの　威厳むかしは　あったのに

干した服　家事一年生の 　父を見守る

父取れば　おさん尻取り　負ける父

お父さん　ギャグで地球を　凍らせる

特攻隊　最期のことば　お母さん

寒すぎる　　ピントが合わぬ　親父ギャグ

いつもいる　いつもの父に　安堵感

お父さん　その手は食わん　振込よ

父帰る　使い果たして　軍資金

父と母　お前と言えば　なんかいた

猛暑への　備えクールな　オヤジギャグ

全方位　守れと父は　蚊帳の外

巣立ちの日　パパも父へと　羽化をする

彼という　他人がワシに　お父さん

近頃は　雷父も　家事親父

お父さん　居酒屋行けば　お兄さん

お父さん　いつの間にやら　おじいちゃん

父の日は　サプライズもない　日曜日

父の威厳　持続不可能　この時世

お父さん　猫なで声で　金無心

いつからか　半歩後ろに　お父さん

貸してみろ　結局店に　たのみます。

あの時の　判断ミスが　今ひびく

お父さん　やりっぱなしの　プロですか

早くない　生前贈与は　遅くない

ありがとう　社長と家長の　二父流

メモをしろ　言ってた父が　メモ忘れ

返納し　毎日通う　筋トレへ

父さんの　座を婿殿に　明け渡す

父さんは　貧乏　パパは　お金持ち

父さんも　時は流れて　お爺ちゃん

父に文　いつも母さん　宛てでした

追ってきちゃ　ダメよ来ないで　その薄毛

子供の目　母にゃ愛しく　父にゃせびる

逆走より　暴走してる　うちの父

強面でも　　心も骨も　　もろい父

関心事　父は移住で　子はニジュー

父の日も　風呂の掃除に　免除なし

父の日と　いえど今年も　何もない

定年後　ネクタイ貰う　働けと

父の日の　準備はみんな　父がする

退職後　居場所探しの　街歩き

母の日の　にぎわい父の　日のしじま

父の恩　母の恩には　かなわない

母の日の　陰に埋もれる　親父像

お父さん　母の日よりも　格が下