人類が手に入れた最高の楽器 それは人の声かもしれません

冬の音楽というと“アカペラ”を思い浮かべることが多いですね。その理由の一つは、山下達郎のせいなのかもしれません。人の声だけで奏でるアカペラは、もともと教会の宗教音楽の歌唱法。今ではさまざまなジャンルの音楽が、このアカペラの手法で歌われることも多いようです。最近では、リトルグリーモンスターやゴスペラーズ、海外ではペンタトニックスなどが有名です。

私がこのアカペラといわれる歌唱法を最初に聴いたのが、山下達郎の初期のライブでした。ヒット曲を次々と演奏した後に、一人ステージに残り、いきなりスピーカーから流れてきた分厚いコーラスに乗せて歌い出したのです。一切楽器を使わないスタイルでの歌唱なので、通常のドラムやベースといったリズムセクションも、全てボイスパーカッションなどと呼ばれる口リズム。それでも、あまりのハーモニーの心地よさに鳥肌が立ったことを覚えています。

昔、英語のリスニングの勉強にと、親をだまして買ってもらったテープレコーダーで、ピンポン録音という初歩的なテクニックを駆使して、夜中までバンドのまね事をしていたのを思い出しました。もちろん今とは比べられるレベルのものではないひどいものでしたが(笑)。

今回ご紹介する音楽は、その初のアカペラを体験した山下達郎の「バラ色の人生~ラヴィアンローズ」。TBS系の報道番組『ブロードキャスター』のテーマソングとして、一般の人にも広くアカペラの素晴らしさが伝わった曲です。

※今回紹介した曲は3月9日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、同「ミッドナイトコモエスタ」(水曜・0時~1時=全国コミュニティFM番組)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。