モヤモヤした時代だからこそ ほのぼのと笑えるレコードを

コロナ禍で心から笑えない今の時代。実は昔のレコードにはお笑いのセンスが光るものが多かったのをご存じでしょうか。古くはウクレレ漫談の牧伸二やてんぷくトリオ、落語家やお笑いタレントのレコードもたくさんありました。その他にも、新時代の笑いをテーマにしたスネークマンショーや、スーパーエキセントリックシアターなど、ドラマ形式で笑いを追求したものもリリースされています。

今回ご紹介するのは、「あのねのね」の原田伸郎が1982年に出した「7時のニュース」。ちなみにサイモン&ガーファンクルも同名の曲をリリースしていますが、まったくの別ものです。さらに原田の方は歌ではありません。全編ニュースの語りだけのシングル。とは言ってもそこは原田伸郎、まともにニュースを語るはずもなく、らしい口調で笑いを取りにいったネタものです。

そういえば最近、お笑いの「音」ってリリースされているのかなと、レコードストアデイに発売されるレコードをチェックしていると、朝のワイドショーで司会をしているお笑いタレントのレコードが発売される情報が。早速、音を聴いてみると、なんとおしゃれな曲! お笑いとは全く別で、期待とは違ったものでした。ま、それはそれで曲はよかったのですが…、腹の底から笑えるような音源が少ない! こんな世の中だからこそ、何かほのぼのと笑えるものが欲しい。いまTVの中の笑いは、ひな壇に座る芸人と、そこから抜け出したMCたちとの、超現場主義的な戦場のようなアドリブが主流。吐いては消えていく瞬間的なものが、喜ばれる時代なのですかね。

※今回紹介したレコードは5月25日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、同「ミッドナイトコモエスタ」(水曜・0時~1時=全国コミュニティFM番組)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。