高度経済成長期の日本 国民が一丸となった応援ソング

1964年、東京オリンピックの年は、いろんな意味で私にとって忘れることのできない年でした。当時中学生だった私。戦後の名残ともいえる小学校時代の脱脂粉乳や肝油などの栄養食品(これが、メッチャまずかった)中心の給食から、牛乳とおいしいパンにありつける中学生になれたことがとてもうれしかったのです。しかも時代はビートルズを代表とするリバプールサウンドや、ベンチャーズなどのエレキバンドが登場して、流行歌や歌謡曲を聴いていた耳に、それまでとは違った、全く新しいサウンドの雨を降らせてくれたのです。

よくいわれる高度経済成長期(1960年~70年)の真っただ中だった私の青春時代。オリンピック景気に沸く日本は、東海道新幹線(東京-新大阪を3時間で結ぶ夢の超特急)や名神高速道路の開通、さらに70年の大阪万博など、もう日本が世界の中心であるかのような勢いに満ちていました。当時の流行語の「三種の神器(テレビ・洗濯機・冷蔵庫)」や「巨人・大鵬・卵焼き」なども懐かしいですね。

そんな中で始まった東京オリンピック。今回ご紹介するのは、国民が一丸となって日の丸選手団を応援するテーマソングとなった「東京五輪音頭」です。10社以上のレコード会社の競作となったこの歌を制したのは浪曲師であり演歌歌手であった三波春夫でした。戦後の復興を遂げた日本を歌で応援したいという三波の気持ちが、人々の心に届いて大ヒットとなりました。難題山積の中で開催される今年のオリンピック、みんなが一つになったあの熱い応援ソングが懐かしく思い出されるのです。

※今回紹介したレコードは7月20日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、同「ミッドナイトコモエスタ」(水曜・0時~1時=全国コミュニティFM番組)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。