私の再生回数ナンバーワン 「愛」を歌った日本語バージョン

「レコードの話で何か書いてみませんか?」。すぱいす担当者からの一言で始まったこの「円盤で時間旅行」。連載が始まって今回100回目を迎えることになりました。節目となる100という数字で思い付いたのが、番組の編集などで使うことの多いPCの音楽ソフトiTunes Music[現Music]にある再生回数というオプション。自分でも気付いていなかったのですが、1曲だけ100の再生回数を超えた曲がありました。

それが今回ご紹介するナット・キング・コールの「LOVE」日本語バージョンです。1964年にリリースされたこの作品は、ジャズ・ポピュラー界で大スターとなったコールの生前最後のレコーディング曲。タイトルのLOVE(愛)は国籍や肌の色を超えた人類普遍の言葉として、コールはこの愛の素晴らしさを世界中の人に伝えたかったのでしょう。オリジナルの英語バージョンはもちろんのこと、日本語の他にもドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語など世界各国の言語で歌ったのでした。

最初に聴いた時、曲の素晴らしさとシンプルな言葉の表現もさることながら、倍音が心地よいコールの声の魅力に改めて気付かされたのです。コールはタバコを吸うと声が良くなるという思い込みから、かなりのヘビースモーカーで、この「LOVE」のレコーディング直後の65年2月に肺がんで亡くなりました。最近はサブスクやYouTubeなどで再生回数が話題になりますが、私の再生回数No.1の「LOVE」は、この後もトップの座を譲ることのない名曲として、記憶の中に刻まれ続けることでしょう。

※今回紹介したレコードは8月24日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、同「ミッドナイトコモエスタ」(水曜・0時~1時=全国コミュニティFM番組)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。


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