クラシックの名曲を演歌アレンジで庶民の迷曲に

年末といえば、普段クラシックなど聴かない私でも、さも昔から聴いていましたよとばかりに、「やっぱり第九のコーラスがいいよね」などと見えを張ってしまうことも。私のレコード室(物置と化した自室)にあるクラシックといえば、幼い頃に買ってもらったウィーン少年合唱団が歌う、シングル盤の「ドナウ川のさざ波」くらい。

でも、実はもう一枚クラシックのアルバムがあるのです。それは殿キンこと殿さまキングスがリリースした「パロッタ・クラシック」というクラシックのカバーアルバム。収録されている曲は、“白鳥の湖”から“モーツァルトの子守唄”“ハンガリー舞曲第5番”などなど、誰でも一度くらいは聴いたことのあるクラシックファンもうなずく名曲ばかり。ただしそこは演歌の殿キン、アルバムタイトルからも想像できるとは思いますが、全ての曲の歌詞とボーカルをド演歌にアレンジした、まさにクラシックのパロディレコードなのです。白鳥の湖が「たそがれ海峡」、モーツァルトの子守唄は「起きてよあなた」と、普段からクラシックを聴いていらっしゃるアカデミックな皆さまにはトンチンカンなタイトルが並んでいます。

今回ご紹介するレコードは、そのアルバムの中からシングルカットされた“トルコ行進曲”こと「係長5時を過ぎれば」。最近話題の“のみニケーション”がそのまま歌になったような一枚です。クラシックでこぶしが回るという歌は、このレコードでしか聴けないかもしれません。

※今回紹介したレコードは12月21日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、同「ミッドナイトコモエスタ」(水曜・0時~1時=全国コミュニティFM番組)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。