その声が聴きたくて、その人のレコードを探す

レコードを聴いていると時々、バックコーラスの歌声に魅かれることがあります。例えばあの山下達郎にしても、近藤真彦(マッチ)やKinKi Kidsなどジャニーズのアイドル歌手に提供した曲では、そのバックで素晴らしいハーモニーを披露していました。

今回ご紹介するレコードは、80年代に人気を博したYMO(イエローマジックオーケストラ)の“4人目メンバー”といわれた松武秀樹の「ロジックシステム」が発表したアルバム「東方快車」。その中に収録されている、YMOの細野晴臣の作品「シムーン」のカバー曲は、80年代初頭に大流行したシンセサイザーサウンドをアラビアンナイト風にした音作りで、途中から入ってくるボーカルがとても印象的だったのです。ちょっぴりスモーキーでコケティッシュな声を聴いた時、「一体誰だろう」とアルバムのライナーや演奏者のクレジットを穴があくほど探しました。そこにクレジットされていたのは「TANTAN」という名前。彼女は「森野多恵子」「大空はるみ」と幾度か名前を変えながら、数枚のレコードを出していた実力派の女性シンガーでした。

「その声を聴きたくて、その人のレコードを探す」。私の“声フェチの歴史”はここから始まりました。このコーナーで以前触れたオネエ声に始まり、ロリータボイス、ダミ声、もちろん透明な美しい声も好みです。当時は売れなかったTANTANの歌声も今なら、きっと多くのファンを獲得できたのではと思います。

※今回紹介したレコードは8月22日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送される予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。