「世界で最も売れたソロアーティスト」としてギネスブックに認定されたエルヴィス・プレスリー。波乱に満ちた彼の42年の生涯を描いた伝記ドラマです。

アメリカ南部の新人歌手エルヴィスは、独特の歌い方で全国的な人気を得る一方、黒人文化に基づいていた彼の音楽は保守的な人々から攻撃されます。さらに、強欲なマネージャーのパーカーに翻弄（ほんろう）され…。

『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマン監督らしい個性的な作りですが、エルヴィスの苦悩もじっくり描き、彼のファンでなくとも心を動かされます。見た目も歌い方もエルヴィスそっくりのオースティン・バトラー、くせ者のパーカーを好演したトム・ハンクス。どちらもお見事 ！

「伝説の歌手の伝記」の枠を越えた、感動の人間ドラマに仕上がっています。

（フリーライター・上妻祥浩）