ここ数年激増しているというペットの飼育放棄を題材にしている社会派映画…だけど、かなりブラックなコメディーです。

犬のレジーは、飼い主のダメ男ダグによって遠くの町に置き去りにされてしまいます。彼はダグを信じて家に帰ろうとしますが、途中で出会った野良犬たちに真実を教えられます。怒ったレジーは復讐を決意、仲間たちと共にダグの家に向かいます。

かわいくて個性的なワンちゃんがたくさん登場しますが、セリフも行動もかなりお下品（笑）。それでも、復讐目的なのにどこか珍道中的な彼らの旅、絶妙なタイミングで描かれる犬と人間の絆の温かさ…と、エンタメとしては一級品の作りです。実力派俳優たちが犬の声を担当していますが、これも爆笑もののせりふの連続です。

PG12作品でご家族向けと呼ぶには厳しいですが、私のような犬派だけでなく、どんな動物好きの人も楽しめて心に刺さる快作です。

（フリーライター 上妻祥浩）