おバカで音痴なレコードが不思議と輝いていた時代

いろいろなレコードがリリースされていた昭和の時代。中には、なんで発売されたのか、さっぱり理由が見えないおバカなレコードが結構あります。代表的なものとしては、落語家やお笑い系の人が、人気にあやかって作ったレコード。決して上手とは言えない歌声に乗せて、ブレークした言葉などを織り交ぜて歌うギャグ歌謡が代表でしょう。この手のレコードは、当時の笑いのエッセンスが詰まったアーカイブとしての楽しみ方もあり、今の笑いと質の違いを比べてみるのもいいかもしれません。

次に多いのが、役者や俳優系の方々。どういう経緯で歌う事になったのか意味不明なものも多く、単純にファンの需要をアテにして出されたものなのでしょうね。タイトルも摩訶不思議???なものが多数。「だって、ホルモンラブ」や「さっそく振込みありがとう」「父ちゃんどこさ行った」など、思わず手を出してしまいそうな変な歌謡が多く残っています。

その中でも、「この人、歌ってはいけないでしょう」「イヤ、これは既に歌ではない」という、音痴(失礼)な歌も結構、出ています。今回ご紹介する斉藤清六の「お嫁サンバ」は、数ある音痴歌謡の中でも出色の出来栄え。あのザ・ピーナッツの作編曲家としても有名な宮川泰が、ピアノを弾きながら歌唱指導をしているといった理解不能なシチュエーションで作られたレコードです。聴いた時、腰を痛めるくらいひっくり返った驚きの出合いでした。本家の郷ひろみが聴いてないことを祈るばかりです。

※今回紹介したレコードは5月22日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。