雨のリズムが刻む季節の歌 チグハグな感覚が新鮮

音楽には四季を感じることで生まれてきたものがあります。春には桜を謳(うた)い、夏には祭りのリズムが踊る。そして秋になると感傷の旋律が心を癒やし、冬には深い人の情に涙する。歌や音楽が運んでくる四季折々の便りは、日々の中で忘れてしまいがちな自然の移り変わりを教えてくれます。

今は私が苦手とする梅雨。ジメジメやムシムシ、さらには大雨や台風などの災害の季節でもあります。お出かけするにも、雨だとテンションも上がらず、ただただスカッとした青空が広がる夏を心待ちにしている時季なのです。

この季節を歌った曲はたくさんありますが、私の青春時代、ラジオやテレビ、さらには友人たちと涼を求め、たむろっていた喫茶店などでよく聴いたのが、今回紹介する「悲しき雨音」です。雨嫌いの私は、歌詞の内容は失恋の歌なんだけど、「そうか外国人も雨は嫌いなんだ」などと、自分勝手に解釈して歌っていました。

そんな懐かしのカスケーズの曲を日本語でカバーしていたのが、荻野達也とバニーズの「悲しき雨音」。オリジナルとは異なる、パパパヤ歌謡に仕上がっていて、ここのところお気に入りのソフトロック調にアレンジされています。多分、このレコードが発売された当時は、本人たちもそのようなジャンルに仕分けされるとは、思っていなかったかもしれません。大ヒットした洋楽を小洒落(こじゃれ)たサウンドの日本語で歌う違和感。今はこのチグハグな感覚が新鮮に思えて楽しいのです。

※今回紹介したレコードは6月19日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。