山下達郎ライブツアーで5年ぶりに解けた謎

先日、山下達郎の2018ライブツアー最終日に行った時の事です。途中、ある曲の間奏で、聞いたことのない歌詞が耳に飛び込んできました。一瞬、知らない歌だと思って聞いていたら、何と大瀧詠一さんの曲のメドレーだったのです。この話、ツアー途中であればネタバレとして書かないルールなのですが、最終日での出来事だったので少し書かせていただきます。

大瀧さんが亡くなられたのは、2013年12月30日、65歳の時。あまりにも急な出来事でしたが、大瀧さんの音楽仲間たちは一斉に追悼の意を表しました。そんな中、ラジオ番組に度々、ゲストとして招いていた達郎さんは、短い追悼の言葉を番組で述べたものの、時間を割いて大瀧さんの特集を組んだりすることはありませんでした。粛々と事実のみを語るにとどまっていたような気がします。あれだけ仲の良かった人だったのになぜ? 当時、私はとても不思議に思いました。

今回のライブで、大瀧さんの曲をメドレーで歌う達郎さんを見た時、大瀧さんの死についてあまり語ろうとしなかった気持ちが少しわかった気がしたのです。推測ですが当時、山下達郎の中では、大瀧詠一はまだ死んでいなかったのではないかということ。多分、受け入れるのに時間がかかったのでしょう。あれから5年、メドレーの1曲目を聞いた時、やっと彼の中で大瀧さんは星になったのではと思ったのです。今回ご紹介するレコードは、その1曲目に歌われた「びんぼう」。「A LONG VACATION」などの美しい曲と対比するような、大瀧さん独自のユーモアの世界を感じさせる名曲です。

※今回紹介したレコードは12月25日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。