AIでよみがえった奇跡の歌声 想像を超えた感動の世界

昨年9月、NHKテレビの企画で「AIでよみがえる美空ひばり」という番組が放送されました。人工知能(AI)技術で、今は亡き美空ひばりの歌声をよみがえらせるという、まさに最近まではSFの世界でしか考えられなかったような夢の技術が、現実のものとして歌声の再生に生かされたのです。最初は正直、どの程度のものだろうと疑いながら見ていたのですが、歌声はもちろん、その仕草や表情は生き返った美空ひばりそのもの。不覚にも私は、仕上がったその映像を見ていて、思わず目に涙を浮かべていました。

確かに現代の技術は素晴らしく、驚きの連続でしたが、私の心を震わせたのは、AIの歌声で届けけられたその歌詞でした。作詞を担当したのは、生前のラストシングルとなった「川の流れのように」を作詞した秋元康氏。最近では日本の音楽プロデューサーとして「AKB48」や「乃木坂46」などのアイドルを世に出した、まさに時代の寵児(ちょうじ)。そんな彼が今、美空ひばりがよみがえったら何を思うだろうといった世界までリアルに表現し、セリフまで語らせた歌は、聴くこちら側の想像を超えた感動の世界だったのです。

私は常々、音楽こそが現代のタイムマシーンだと考えているのですが、今回の楽曲「あれから」を聴いて、歌声とそこに表現された世界が、時空を超えて人の心に届いていく瞬間を目の当たりにしたような気がしました。

※今回紹介した曲は1月21日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。