花見の季節なのですが… ラテンな気分の“桜”はいかが?

毎年この時期に流れてくるのが、森山直太朗の「さくら」や、福山雅治の「桜坂」に代表される“桜”を題材にした曲。出会いや別れの季節とも重なるからでしょうか、それぞれの歌に思い出を重ねる人が多いこともあり、まさに春は桜ソングが乱舞する季節なのです。デジタルな音楽がチャートを独占する中、特に2000年初頭より始まったこの桜ソングのブームは、昭和の時代以上に、日本人としての美意識を感じさせる彩りにあふれています。

私たち世代の桜ソングといえば、音楽の教科書でおなじみの「さくらさくら」なのですが、1950年代半ば、この日本の唱歌を独特のアレンジで演奏・収録していたのが、リカルド・サントス楽団の『ホリデイ・イン・ジャパン』というアルバム。後に本名のウェルナー・ミューラー として活躍したリカルドは、伝統的な日本の音楽をラテンのリズムで、全く新しい音楽として生まれ変わらせていたのです。

私が、このラテンの「さくらさくら」を聴いたのは、2000年代に入ってから。レコード屋で見つけたLPは、ジャケットにコケシの人形と「Holiday in Japan」と描かれ、エキゾチック感にあふれていました。若い頃なら見向きもしなかったはずのレコードにひかれたのは、当時夢中だった細野晴臣の「泰安洋行」的な、外から見た日本というような、心地よい違和感を感じたからです。

今年の花見、大勢でワイワイというのは難しそう。このラテンの「さくらさくら」でも聴きながら気分を上げて、桜を眺めてみませんか?

※今回紹介した曲は3月24日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。