教員からそば打ち職人へ 作り手の心意気が感じられるそばを【すてきびと】

文化創造館「風流」のカフェで手打ちそばを提供しています。

信州大学に進学した吉岡さんは、地元の名物である、そばの素朴なおいしさに魅せられました。「黄緑色でほんのり甘い。それまで食べたそばとは全く違うもので驚きました」。その衝撃から戸隠そば店でアルバイトをし、そば打ちの技術も習得。1カ月間、そばつゆの原料となる北海道の羅臼こんぶの漁体験までしました。

大学卒業後に見分を広げようと世界一周の旅へ出て、「日本の食や文化の素晴らしさを改めて再確認した」と言います。帰国後、天草で2年間教員生活を送るも「身に付けたそばの技術で、人を幸せにしたい」との思いが高まり、そば打ち職人に。そばの良さを広めるため、軽バンで全国を巡回。「その土地ならではの食材に出合うと、どんなそばを作ろうかとワクワクしました」

それらの経験を経て、2006年から西原村へ。石臼びきの新鮮なそば粉を使った、打ちたて、ゆでたての戸隠そばが人気です。「そばは素材が命。誠実な作り手の心意気が感じられるようなそばを作りたいですね」