同志少女よ、敵を撃て

著者:逢坂冬馬

ロシアがウクライナに軍事侵攻して約ひと月が経過した4月6日、第二次世界大戦中に旧ソ連で編成された女性だけの狙撃小隊を描いた戦争小説である本作が本屋大賞を受賞した。いやはやすごい符合だと驚いたのは私だけではないだろう。

読む前はかなり堅苦しい物語だろうなと身構えたが、そこにあったのは上質なエンタメだった。辞典並みの分厚さにもかかわらず、一気に読み終えた。主人公は戦争で母親と故郷を失い、狙撃手となることを余儀なくされたロシアの少女。彼女の運命・境遇そして決意にどこまでも感情移入してしまう。本作のポイントは徹底したリアリティーの追求だ。戦場や戦闘シーン、武器・兵器の細か過ぎる描写に、私がいるこの場所は戦場で、目の前で銃弾が飛び交っていると錯覚してしまうほどだ。

私たちが同志に求めることといえば、せいぜい悩み相談程度だが、本作では「敵を撃て」と求められる。しかも少女たちに向かって。本作を読んだ方は、戦争にどんな思いを抱くだろうか。

著:逢坂冬馬
定価 2090円 四六版 早川書房

紹介するのは

金龍堂 まるぶん店
荒川 俊介さん

ロッテ・佐々木朗希投手の完全試合に興奮と高揚感がやみません!