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妊婦さんが感じる赤ちゃんの動き 「10回胎動カウント」で元気度をチェック

慈恵病院 理事長・院長 蓮田 健氏 九州大学医学部卒業。九州大学付属病院、国立病院九州医療センターなどで産婦人科勤務
慈恵病院
理事長・院長 蓮田 健氏
九州大学医学部卒業。九州大学付属病院、国立病院九州医療センターなどで産婦人科勤務

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[メディカル百科]産婦人科編

妊娠5カ月ごろから感じられるようになる胎動。赤ちゃんの元気を示す目安の一つで、もし、一定時間を超えても感じられないときには緊急性の高い病気が発生している場合も。専門医に詳しく聞きました。

─胎動とは。

おなかの中の赤ちゃんの動きを医学的には胎動と呼びます。妊婦さんが初めて胎動を感じる時期は、初産婦さんで妊娠20週ごろ、経産婦さんで18週ごろといわれています。ただ、胎動の感じ方には個人差があるため、22週ごろまでに分かれば大丈夫です。

─胎動を意識することは大事なことですか。

産婦人科では妊婦さんに胎動のチェックをお勧めしています。リラックスした状態で、おなかの中の赤ちゃんの動きを数えていくのですが、赤ちゃんが10回動くのに何分かかったかを計測したものを「10回胎動カウント」と呼びます。だいたい10分間から15分間で10回動きますが、30分以内でも問題ありません。30分を超えるようであれば、妊婦さんには「おかしいな」と気付いていただきたいのです。1時間を超えたら何かしらの異常も疑われますので至急、かかりつけの産婦人科に連絡してください。

─どんな異常が考えられますか。

赤ちゃんはおなかの中で急に状態が悪化し、動きが少なくなる場合があります。その原因として最も多いのが「常位胎盤早期剝離」です。これは、胎盤が子宮の壁から剝がれてしまう病気です。おなかの中の赤ちゃんは胎盤やへその緒を通じて酸素や栄養分を体に取り入れています。胎盤やへその緒は赤ちゃんにとって命綱です。胎盤が剝がれてしまうと酸素が欠乏して仮死状態に陥り、ひどい場合には、おなかの中で亡くなることもあります。ですから、大至急、赤ちゃんを子宮の中から取り出し自分の肺を使って体に酸素を取り込ませる必要があります。そのため、緊急帝王切開になることが少なくありません。このようなことからも、赤ちゃんの動きを観察する10回胎動カウントを定期的に行うことが大事なのです。

─常位胎盤早期剝離は珍しい病気ですか。

この病気は決してまれなものではありません。妊婦さんの200人に1人の割合で発生するといわれています。当院では1カ月に140人くらいの妊婦さんがお産をされますので、1カ月半に1人くらいの割合でこの病気が発生します。できるだけ早く帝王切開をして赤ちゃんを取り出すことが赤ちゃんの運命を決めますので、胎動カウントに異常があるときには、かかりつけ医にすぐに連絡してください。

医療法人 聖粒会 慈恵病院

住所熊本市西区島崎6-1-27
TEL096-355-6131
診療科目・内科 ・内分泌内科 ・消化器内科 ・小児科 ・麻酔科 ・産婦人科(産科・婦人科)・内視鏡婦人科・糖尿病代謝内科・乳腺外科
診療時間/産婦人科月~金曜/9時~11時30分・13時30分~17時(木曜は午前中のみ)、 土曜/9時~11時30分・13時30分~17時 ※産婦人科の急患の方は、いつでもご来院ください。
診療時間/内科月~土曜/9時~12時・13時30分~17時(木・土曜は午前中のみ)
診療時間/小児科月~土曜/9時~12時・13時30分~17時(木曜は午前中のみ)
診療時間/麻酔科金曜/13時30分~17時
面会時間平日14時~20時、日曜・祝日10時~20時
備考※麻酔科および妊婦健診は予約制です  ※手術や分娩によっては診療時間が変更になる場合があります

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記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

慈恵病院 理事長・院長 蓮田 健氏 九州大学医学部卒業。九州大学付属病院、国立病院九州医療センターなどで産婦人科勤務

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