腫瘍を熱するがん温熱療法は 抗がん剤治療などの併用で 症状を効果的に緩和できます
目次
[ドクターズ メッセージ]がん治療科
─がん温熱療法について教えてください。
がん組織は熱に弱く、42度以上に加熱すれば死滅するといわれています。温熱療法は、こうした〝熱に弱い〟というがんの特質を利用した治療法(一部保険適用)です。専用の治療器を用いて腫瘍部位を42度以上、腫瘍周辺部位を42度前後に直接加熱することで、人体の深部に発症した腫瘍であっても、がん症状の緩和や軽減などが見込めます。
─どんながんに活用できるのですか。
胃がん、肝がん、膵(すい)がん、直腸がん、食道がん、肺がん、乳がんなど、頭部や眼球を除くほとんどの部位に適用でき、放射線治療や抗がん剤治療との併用で主に用いられます。患者さんの病状や体質によって差はあるものの、高濃度ビタミンC療法、高圧酸素カプセル、微量抗がん剤治療に加え、新たな選択肢となる6種複合免疫療法などと組み合わせることで効果が上がる可能性があります。
─副作用など、患者さんの負担はありますか。
原則として週に1回、約1時間程度、体を温めるという治療を行います。副作用がほとんどありませんので、何度受けても体に負担をかけない、体に優しい治療法といえるでしょう。また、体を温めることで痛みの緩和や食欲増進、体力の回復、倦怠(けんたい)感の軽減など、末期がんの患者さんのQOL(生活の質)を高める作用もあると思われます。詳しくは専門医にお尋ねください。また当院では、昨年からYouTubeで健康をテーマとしたさまざまな情報を配信しています。ぜひ、ご覧ください。
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