「痛い」「かみにくい」入れ歯の悩み　自分に合ったものを作ることが大切【メディカル百科】

入れ歯治療編

入れ歯の不具合で悩んでいる人は意外に多いそうです。入れ歯は毎日、長時間取り付けるものだから、できるだけ快適に使いたいもの。そこで、不具合の原因や治療法、義歯の種類について話を聞きました。

─どんな歯の状態になると、入れ歯が必要ですか。

歯が並んで2本以上抜けると、部分入れ歯の必要性が高まります。力を受け止めている、または支点になっている歯が抜けてしまうと、支点が他の歯に移るなど負担が掛かります。入れ歯は「かむ」機能の回復だけでなく、残った歯の負担軽減にもつながります。多くの歯がなくなると総入れ歯が必要です。

─入れ歯で悩んでいる人が多いと聞きました。

女性や若い人は、見た目で悩む場合が多いですね。部分入れ歯には一般的に、自分の歯に固定するための金属のバネがついており、口を開けたときに見えることがあります。総入れ歯の場合は「歯茎が痛い」「かみにくい」「はずれやすい」などの不具合が増えてきます。それは主にかみ合わせのずれが原因です。

─より自分に合った入れ歯を作るには。

見た目の問題を改善し、口中の不具合を減らす入れ歯としては、（1）ノンクラスプ義歯が挙げられます。ノンクラスプ義歯は金具がなく、ピンク色の樹脂製の義歯床を自分の歯に引っ掛けて固定します（保険適用外・10万円～29万8000円）。（2）コンフォート義歯は、入れ歯の内側にシリコン製のクッションがついており、歯茎に優しくかみやすい入れ歯です（保険適用外・14万800円～46万5300円）。これ以外にも、患者の口内や顎の状態、かみ合わせを検査、診断して専門の技工士と連携しながら作成するオーダーメードな入れ歯（3）GDS（精密義歯）（保険適用外・片顎79万8000円、全顎159万6000円）などがあります。また最近は、3Dプリント技術を使った（4）3Dプリント義歯も利用できるようになりました。口の型取りをしなくて済み、作成が簡単です。今使っている総入れ歯が痛い、合わないという場合に入れ歯を3Dスキャンして同じ形状の義歯を作り、その内側にクッション加工を施すことで、痛みやがたつきなどを軽減します（保険適用外・13万2000円～49万5000円）。最短2回の通院で完成し、試着用を作ることもできます。失くしたり、壊したりした場合も複製品を作成可能です。

─最後にアドバイスを。

最も大切なのは、よく歯を磨くことと、虫歯にならないよう定期的に予防治療を受けることです。入れ歯が合わないまま我慢を続けていると、他の歯にも悪い影響が出てしまいますので、早めに専門医にご相談ください。

さくらのもり歯科医院